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単独インタビュー第4弾 ロングインタビュー「スコッチ文化研究所代表 土屋 守さんを迎えて(6)」

5 3月 2010 3,268 views No Comment

土屋さん:元々俺はとんぼの本という本を除くと「モルトウイスキー大全」の前に、イギリス関係の本を書いているわけだよ。「イギリス・カントリー四季物語」、「イギリス・カントリー紀行」、「紅茶のある風景」というソフトな本を書いているわけじゃない。

K:はい。

 土屋さん:ウイスキーとは違う本を。なんだけれども、結局「モルトウイスキー大全」が出てからは、やっぱり俺の所に来る仕事というのは、ウイスキー関係のものがどんどん多くなって来て、今じゃすっかり、「イギリス関係の本を書いてくれ」っていう注文も来ない位だよ。本当にね(笑)。

 K:(笑)、もしかしたら、お調べにならないと分からないかもしれないですよね、土屋さんの事を。

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土屋さん:うん。未だに俺ね、日本紅茶協会の人と付き合いがあるのは、「紅茶のある風景」を書いた時に、日本紅茶協会のインストラクターの人達が、「是非講演してくれ」と言われて、その繋がりでね、未だに紅茶協会のインストラクターの人達の会で講師を務める事はある。俺は直接紅茶の淹れ方等やらないけど、紅茶とは何なのかとか、イギリスでどうして紅茶文化が花開いたとか、日常的にイギリス人は紅茶をどう飲んでいるのだとか、そういう話はイギリスに5年間住んでいたから、こっちの方が知っているんだよね。だから紅茶の方たちとの繋がりはあるんだけれど、それ以外は完璧にウイスキーになっちゃったよね。

 K:そうですね。

土屋さん:そうなんだよ。

K:でもスコッチ文化研究所を立ち上げられる前からのご本ですよね?

土屋さん:紅茶の本?

K:いえいえ、「モルトウイスキー大全」です。

 土屋さん:ずっと前だよ。

 K:それで、結局は依頼も多いし立ち上げられようと思われたのですか?

 土屋さん:そうそう。そういう事だね。それは、98年に「ブレンデッドスコッチ大全」を出して、シングルモルトとブレンデッドを出したから大全シリーズはいいかなと思っていたのが98年、その頃NHKのテレビにも出ていたから、こっちも忙しいしウイスキーの事はもういいかなと思っている時期に、「ウイスキーの資格認定」みたいな話があって、実を言うともうなくなっちゃたけど、「スコッチウイスキー広報センター」というのがあってね、江川さんの。江川 由美子さんがやっていたスコッチウイスキー広報センターというのがあって、江川さんの依頼で俺は全国あっちこっちで講演していたわけだよ。でもスコッチウイスキー協会としては、日本の関税率の引き下げに成功したんで、もはやスコッチウイスキー広報センターが日本にある必要がないと、予算もなくなって閉鎖してしまって、その時に江川さんがまだこれからだと、日本のバーテンダーは、「資格認定をやって欲しい」と言っている。だから資格認定を日本で立ち上げたいという話を俺の所に持って来て「土屋さん一緒にやりましょうよ」となって、「それはいいですね」って言って、動いていたの。動いていたんだけれど、本国の方が全然乗り気にならなくて、結局99年位にぽしゃった経緯があるの。

 K:ええ。

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土屋さん:で、98年~99年にそういう事が起こった時期に、それでもやっぱり、「資格認定」はやってくれという話はあちらこちらから聞くわけだよ。で、色々なバー関係者と話していてもそう思うし、「どこかでやるべきじゃないの?」と思った時に、じゃあそういう1つの団体を作ろうかと。それと俺が21世紀になってもウイスキーに関して仕事をして行こうと思うと、1人の情報収集能力では無理だという事が分かって来たの。これだけ急激に世界がインターネットになって来ると、そもそも俺はコンピューターをあまりやらないし。で、とても1人じゃ情報収集をする事は不可能に近いので、じゃあきちんとした事務所を作って、そこに色々資料を収集して、最初の目的は資料の収集だったの。もう俺は個人的にも色んな文献を持っているし、手に入らない文献もたくさんあるんだけれど、それを俺がウイスキーを辞めちゃったら、勿体ない資料がどこに行くのか、そういうのもあって、でももっともっと集めたい資料もあって、ウイスキーに関するあらゆる資料が集める殿堂みたいなものが作りたいと、当初の目的はそれだよね。

 K:ええ。

 土屋さん: 何で研究所というまず名前を付けたかというと、「やるんだ」という話をした時に乗って来たのが、2000年の時かな、俺がそういう話をしたら、「是非協力したい」と言ってくれたのが、今の世話人達なの。渋谷さんと、谷嶋さんと、中居さんと牧さんと村野さんと、残念ながら途中でなくなってしまったけれど、沢出さんという人がいて、だから俺を含めて7人がスコ文研の最初の立ち上げの世話人だったの。

 K:そうだったのですね。

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土屋さん:その時の皆に言ったのが、研究所っていうか、とりあえず「事務所は俺が設ける」と、そこに皆が集える様な事務所は俺が金出して開設すると。で、そこに人を一人雇って、会を立ち上げると。でも皆さんは、申し訳ないけれどボランティアで、常時いる事は皆仕事を持っているから不可能だし、でもボランティアでその会に参加してくれるかと言ったら、皆「いいよ。」という話で。とにかく集まれる場があればさ、それにこしたことがないじゃない。で、南麻布の所に一室借りて。

 K:そちらは前の事務所ですよね?

 土屋さん:そうそう。それを2001年の3月に立ち上げたの。

 K:そうだったのですか。

 土屋さん:だから、初期の目的は情報収集、資料収集だったの。当然その傍ら、会員を募ってその会員向けにニュースレターを発信すると。それは情報の発信だけど、そういうのを主な業務にしながら、でも一方でいずれ「資格認定」はやりたいなというのは思っていたんですよ。それは最初から皆にも言っていたし、皆もそのつもりだったからね。(7へ続く)      (5へ戻る)

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