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単独インタビュー第8弾 2011年 年明けインタビュー企画「Bar DOVECOT バーテンダー渡邊 真弓さんを迎えて(3)」

28 1月 2011 1,939 views No Comment

K:それでは次ですが、Q4、Barから学べる事は何かありますか? 

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渡邊さん:そうですね、色々とあると思いますが、折角なので、バーテンダーという仕事を通してお話をさせて頂くと、先ずはお店の開店前にお掃除から始まりますよね?

 K:はい。 

渡邊さん:お掃除して、ボトルを拭いて、トイレ掃除もして、氷を割ったり、ジュースを作ったり、ジュースもフレッシュですからレモンやライム等を選んで来る段階で、これ絞ると美味しいというものを自分で触って選んで来ます。氷を割る時も角を落としたり、形や大きさを考えながら割っていくんですね。

 K:ええ。 

渡邊さん:いざ作る時に余計な心配をせず集中したいので、例えば、シェイクに耐えられる氷を作っているかだとか、ビルドの場合、グラスに氷を入れた時にシルエットが格好良いかなど、イメージしながら氷を割っていきます。レモンやライムを絞る時にえぐみが出ない様に、ちゃんとカクテルで美味しく酸味の役目が出てくれるように絞ったりだとか。それが終わって照明を落として、音楽をかけて…

 K:はい。 

渡邊さん:BGMにはジャズをかけているのですが、例えば雨の日だとこういう曲が良いかなとか、暖かい日ですとこれかなとか、平日と週末とでは流れる時間もちょっと違うと思いますのでこれをかけてみようなど、私はそれ程詳しくはないのですが、今日のチョイスを何枚か自分なりに選んでかけるのですよね。それで、さあ開店。 

K:ええ。 

渡邊さん:そしてお客様がいらっしゃって「いらっしゃいませ」から始まり、何をお飲みになりたいかお話をして、カクテル1杯をお出しします。その1杯のグラスをお出しするまでには今、お話しした様なちょっとした道のりがあって、そのグラスというのはほんの氷山の一角なんですね。それにそこに至るまでには、手を抜こうと思えば、抜けてしまうところもたくさんあるのですよね。毎日行う準備の中でも、日頃の勉強の中でも。一杯のグラスをイメージしないでもやれてしまう事って、実はいっぱいあるんですけれど、でも、例えばお掃除にしても綺麗なカウンターに座ってもらえれば、この一杯をもっと美味しく飲んでもらえるのではないかな?と想像してみる。そうする事によって、当たり前の仕事でも、毎日毎日それを当たり前でなくすというんですか、常に一杯のグラスのイメージを念頭に置いて小さな仕事を積み上げていくというのでしょうか。イメージする事でクリエイティブな仕事ができる、バーテンダーという仕事でより強くそういう事を学べたと思います。手を抜いてはいけないし、手を抜きたくないという自分もいますし。 

K:ええ。 

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渡邊さん:やっぱりバーテンダーの1番の仕事はご注文を頂いたグラスを出す、お飲物をお出しする事だと思うんですね。その一瞬の為に掃除しているのかな、とか(笑)。

 K:ええ。逆に私達側から、カウンターの外にいる立場として学べる事がたくさんあると思うのですね。それはバーテンダーの方からすると私達が何を学べると思いますか?

 渡邊さん:お客様が、ですか?そんなおこがましい(笑)。私達の方が学ばせてもらっているので、何でしょうね。何だろう。例えば私がお客様側になったとして、私はもうバーテンダーになってしまっているので、その立場からカウンターに座らせてもらうとしたら、やっぱり中にいるバーテンダーさんの一挙一動が勉強になります。けれど、全くバーテンダーと言う職業を抜いてお答えするとしたら、やっぱりさっきKaoriさんが仰った様に、先ずはあまり変な格好ではいけないかなと。

 K:ええ。 

渡邊さん:特に女性ですと、少しお洒落して行かれると気分も違うと思うんですね。私の場合ですと一張羅にアイロンを掛けてですね、周りのお客様方の目障りにならないようにして…そして一番はそのお店の空気感を一緒に楽しまれたらいいと思います。 

K:ええ。 

渡邊さん:お店によってそれぞれ個性というものがありますよね。こんな風だったらより美味しいよ、より楽しんでもらえるかな、というような雰囲気のことなんですけど。そういう空気を感じとって、それを楽しもうと、それを受け容れようとすると良いのではないかなと思います。

K:凄く分かりますね。私も今仰ったみたいな事を思っていて、なるべく、と言うのか何ていうのでしょうね、Barというのは空間がとっても大事で、Barの空間は皆さんで作っていくものの様な気がして、

渡邊さん:はい。 

K:そのBarに伺った時に、今日はこういう感じ、今日はこういう感じと毎日違っているのが当たり前で、それは毎日お客様が違うからで、そうした時に、最初に私が伺った時に先に出来た空気感をそのままにしたいなと思いますよね。こちら側としたら。何て言うんでしょう、その空気にスッと入って行かれる様な、崩さない様な感じで行きたいなとは思いますね。だから空気感だったり、空間だったりそういう時に、皆さんが本当に一致した時に穏やかな空気が流れてBarという所が楽しめているし、そういうBarに行きたいと言うか、そういう事をお分かりの方が集まった時がとても良い雰囲気で。 

渡邊さん:そうですね。 

K:もしそういう事を壊すとか壊さない等ではなくて誰がどうとかではないにしろ、皆さん心の中で口に出さないだけで、この空気感を大事にしたいなと思いつつ召し上がっていらっしゃるんだろうなというのが伝わって来る… 

渡邊さん:一体感というか... 

K:はい。 

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渡邊さん:そうですね。お店側は空気感を押し付けるわけでなくて、日々違うお客様がいらっしゃって、お客様によって違う空気感が作り出されると思うんですね。その空気感がお店の持つ個性とお客様全員の一体感によって居心地が良いものであれば、それが一番だと思います。皆さんが楽しめるのであれば、静かな雰囲気も良いでしょうし、品位を失わない程度に盛り上がる時もありますでしょうし。そういうのが一体感だと思いますね。日々変わる空気感というものはお客様と一緒に作って行きたいと思いますし、私がカウンターの外でお客として座るのであれば、私もその一員でありたいなと思いますね。 

K:ええ。つくづく、改めてBarに伺うと20歳そこそこで伺っていた感じと今の感じは多分少しずつ変わっているのかなと自分の中ではそういう気がしますね。空気感、空間というものは大事。だからそこに行きたいからこそBarへ行く、というのがあるかなと思っています。

 渡邊さん:うん。そうですね。パブリックな場だという事で、大事ですよね。 

K:大事ですよね。 

渡邊さん:そう思います。大事にしていきたいと思います。(4へ続く)  (2へ戻る)

 

※次回掲載予定日2/4(金)

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