単独インタビュー第8弾 2011年 年明けインタビュー企画「Bar DOVECOT バーテンダー渡邊 真弓さんを迎えて(最終章)」
K:そこに繋がるかもしれませんけれどQ8今後の目標を教えて頂けたらと思います。
渡邊さん:そうですね。最近、カクテルコンペティションに出ていないので、また出場していきたいと思います。
K:ええ。どの位の頻度であるものなのですか?
渡邊さん:私が所属しているPBOは年に2回です。春と夏に。それをベースにメーカー主催の大会だとか、地域が行っている大会などいろいろありますので、なるべくタイミングを合わせて挑戦していきたいと思います。
K:今、日曜日も営業されて(12月時点)、お1人でされていて、他のスタッフの方もいらっしゃるでしょうけれど、色々と考える事、される事等たくさんたくさんあると思います。最終的には、というところを決めていらっしゃるのですか?先程のお話の中から、お客様に提供する事を最終目的としてお作りになると仰っていたのですが、ここで仰らないにしろ、ご自分の最終的な目標というのを決めていらっしゃるのですか?実は仰らないだけで秘めている事等あるのかな?と思いまして。
渡邊さん:考えていないですね(笑)。うーん、そうですね。
K:独立のお考えはないのですか?
渡邊さん:そうですね。あまり執着はないんですね。必要があればその様になるのでしょうし、あまり無理にその考えに固執はしていないです。長期的な夢が無いというわけではなく、現状でもカウンターを任せてもらっているので、まずは自分の足りないところを自覚し具現化していく事が重要だと思っています。
K:ええ。
渡邊さん:ただ、前職を辞めてバーテンダーに転身したように、やれるな、いけるな、と思う時は、ちょっとリスキーでもチャレンジしたい人生であればとは思っているんですね。方向性が決まると、自然とタイミングや環境も整ったりもしますしね。
K:ええ。
渡邊さん:極端な考えかもしれないんですけど、仕事って社会に貢献する事だと思うんですね。もう少し小さく言うと、誰かのために何が出来るかという事で、その為に職業を選び、自分を成長させる事によって誰かの為に出来る「何か」が見つかるのだと思います。私にとってバーテンダーとはその為の大事なツールであって、独立だけがゴールというわけではないんです。
K:はい。
渡邊さん:ただ、それはバーテンダーとしての技術や知識、接客とかが充実してからの話であって、今はまだこれらを勉強している最中なので一歩一歩前に進めていく事が当面の目標です。
K:携わっている以上は?
渡邊さん:そうですね、やり始めた以上は極める所まで努力をしたいです。ただ、人間なのでなかなかモチベーションを上向きに保てない事もあると思うんですね。なのでコンペや資格に挑戦したり、制服を変えたりして、楽しく努力が出来るように、そこらへんの工夫は上手いかなと思っています。
K:ええ。いつ伺っても渡邊さんのテンションは変わらないですよね?
渡邊さん:そうですか?
K:人なので当たり前ですけれどお伺いしたBarで、大体皆さん同じテンションですけれど、人なのでお付き合いを長くしていると機嫌が悪い、等ではなくて、もしかしたら体調が悪いのかな?だったり、何かあったのかな?と感じる時もあるのですよね。Barに行っても。何となくですよ。
渡邊さん:ええ。
K:それが渡邊さんの場合は全然感じないのですよね。
渡邊さん:(笑)。
K:いつも同じテンション。高い低いとかではなくて、同じ状態を保っていらっしゃるなと思っています。
渡邊さん:こう理系なのでね。自分の世界観があるのかな?(笑)
K:私はいつもテンション高めに入って行きますよね?
渡邊さん:そうですね。Kaoriさんとはテンションがぴったり合っているのかもしれませんね。まあ、何と言うかな、少し年齢的な経験もあるかもしれませんよね。
K:ええ。
渡邊さん:バーテンダーの経験プラス年齢的な、若くはない歳なので。
K:いえいえ。
渡邊さん:体調が良くない時には確かに顔色に表れてしまう事もあるとは思うのですが、それを表情として出さなければ良いのではないでしょうか。後、この歳になってむらっ気があってもこの人どういう人生なの?って感じじゃないですか?(笑)
K:確かにそうですね。
渡邊さん:なので、そういう意味では毎日安定していられるのは、年齢的な経験による工夫なのかな、と。
K:何となくそれは出て来ますよね。
渡邊さん:ね?
K:はい。それは分かる気がします。それでは渡邊さんから私達に伝えたい事はありますか?伝えたい事を聞き出したいのですが、例えばBarについて伝えておきたい事等があれば、教えて頂けたらなと思います。私がウイスキーの事を書いているので、ウイスキーの事でも宜しいですし。もっと女性にBarへ行ってもらいたい、そしてウイスキーもと思っているので、もし考えつかないようでしたら、その方々に対して何かあれば。
渡邊さん:そうですね。うーん。Barに行き慣れていない方とか、「行ってみたいけれど行けないわ」と躊躇されている方々の不安材料って、例えばバックバーを目にして何を頼んでいいか分からない、お値段が凄く高いのかしら?とか、こういう事を言ったら失礼なのかしら?とか、特に女性はね、聞き辛くて奥手になっているんじゃないかな?と感じるんですよね。
K:はい。
渡邊さん:その為にバーテンダーがいるわけで、怖い人達ではないので(笑)、色んな事を聞いて頂ければいいと思うんですね。聞き辛い事かもしれないんですけれど、お値段の事、例えばこの位の予算でウイスキーを飲みたい、だとか言って頂いた方がその中でも美味しいお酒をお勧めできますし。(お酒に)弱いけれど「ちょっとお酒を飲んでみたい」だとか色んな事を言って頂くと本当にその方が要求している事、必要としている事にお応え出来るかなと思いますので。
K:はい。
渡邊さん:お酒に関して何を聞かれても親身にご相談に乗らせて頂きますし、それが私達の喜びでもあるので。
K:ええ。
渡邊さん:バーテンダーをどんどん使って頂きたいな、と思います。
K:ええ。
渡邊さん:それと、時にはバーテンダーにお酒を委ねて頂けるシーンがあればまた面白いと思います。例えばジントニック、お客様の方でジンの種類をご指定頂いても良いのですが、たまにはそのお店のジントニックをお飲みになるのも良いかもしれませんね。ジンの種類も様々ですし、それに合わせたバランスでレシピを練り上げているので、一杯のグラスの中に、そのお店の考え方とか個性を見る事が出来ると思うんですね。
K:ええ。
渡邊さん:こんな事を含め、バーテンダーを気軽に使って頂きたいなというのがありますね。
K:ええ。ただそこが中々難しいと思う方もね、いらっしゃるのですよね。
渡邊さん:ええ。
K:私も聞き辛い事はあります。最近は金額の事は聞く事が出来るようになりましたけれど、実際はどうなのだろうと思う事もありますけれど、そこの所は分からなくはないですよね。Barに入って行く事についてはそう思わないですけれど、金額については書いていないと中々...。
渡邊さん:大変ですよね。
K:折角Barに来ている、という気持ちが高まっているのに、聞いてしまうと自分の気持ちも覚めてしまう気もするし。
渡邊さん:そうですよね。ね...。
K:そこの事もメニューを大体見ておけば、分かる事もあるし。
渡邊さん:そうですね、だからという訳ではないのですが、最初、聞きたいけれど聞き辛いというお客様もいらっしゃるでしょうから、詳しいメニューをお手元に置いて、まず1杯目位はご自分で様子を見られるというか、価格帯であったり、種類でしたり、ご自分でも選べるようにメニューをご覧頂く事もあります。慣れてくればお話をさせて頂いてもいいですし、なるべくお客様の不安材料が少なくて済む様に心掛けています。
K:有り難うございます。後は何かありますか?折角なので。
渡邊さん:何かですか?でも、ずいぶん話しましたよね?
K:ま、そうですね。何か思い浮かぶ事があったら。
渡邊さん:そうですね。Kaoriさんのこのような素敵なインタビューを受けさせて頂きましたので、これをお読みになった方に来て頂きたいですね。
K:はい。有り難うございます。
渡邊さん:一緒にお話をさせてもらって、ダヴコットの空気を一緒に共有させて頂く事が出来れば幸せです。お会いしたいなと思います。
K:ええ。そういうきっかけになれたら良いなと思っています。Barにも入って頂きたいですし、読んできっかけになればいいなと私も思います。
渡邊さん:そうですね。どんどん女性の方にも来て頂けたらと思います。
K:有り難うございます。こちらでインタビューは終わりになりますが、他はありませんか?
渡邊さん:生意気なことばかり話して申し訳ないです。
K:全く。以前も話していましたが、何か女性の事で出来たらいいですね。
渡邊さん:それは是非やりましょう。
K:それでは、有り難うございました。
渡邊さん:どうもお世話になりました。有り難うございました。 (5へ戻る)
Kaoriの総論
渡邊さんとは、初めてダヴコットさんでお会いした時から以前からの知り合いの様にすぐに親しくさせて頂きました。こちらのインタビューから感じられた方もいらっしゃったかもしれませんが、落ち着きある言葉遣いで接客をされます。いつお会いしても謙虚でいらっしゃるお姿、そして揺るぎない芯の強さをお持ちで、人として尊敬出来る方だと思っております。又、以前私がダヴコットさんに忘れ物をしてしまった際、翌朝私が席を外せない事を知りわざわざ私がおります都内迄届けて頂き、大変感動致しました事を今でも覚えております。今後はカクテルコンペティションに出られたりと更なるご活躍の場を広げられるとの事でございますので、陰ながら応援させて頂こうと思っております。
取材協力
※Bar DOVECOT http://r.tabelog.com/saitama/A1101/A110102/11003095/
参考インタビュー
※ウイスキーアドバイザー 吉村 宗之さんを迎えて
http://www.whisky-concierge.com/?p=3252
※秩父蒸溜所 マッシュマン 門間 麻菜美さんを迎えて
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