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単独インタビュー第11弾 「信濃屋食品 北梶 剛氏、緒方 博之氏を迎えて(6)」

26 8月 2011 2,278 views No Comment

ワイン館夜2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K:続けて北梶さん、ウイスキーを選ぶ際に気を付けていらっしゃる事を伺っても宜しいですか?

北梶さん:1番気を付けている事は、バイヤーという立場で買って売る人というだけではなく、ちゃんと1人のウイスキー愛好家として、飲み手として、買い手として自分がお客様の立場になった時に本当に欲しいなと思う様な、価格と品質が納得いくものを選ぶという部分ですかね。

K:難しいですよね、価格と品質。

北梶さん:そうですね。

K:品質も良くなくてはいけないですし、価格も大事ですし。お客様の事を考えたら下げたいし、でもそれではやっていけないし。

北梶さん:ええ。それも熟成が長い原酒でしたらストックももうなくなってきていますし、もう30年40年もの熟成期間を経ている樽でしたら、買いやすい値段ではお届けしますが、闇雲に安くするようなものじゃないですし。

K:はい。

北梶さん:あまり飲んだ事ないと言われる様な蒸溜所だったら多少買い易くして飲んでもらいたいですし。飲み手として、買い手として考えると、あんまりマニアックな蒸溜所で値段が高過ぎるとやっぱり買わないじゃないですか。

K:ええ。

北梶さん:そうなると飲んでもらう機会も失っちゃいますし・・・、そこのバランスですよね。

K:そうやって悩まれた場合は、どうされるのですか?どなたかにご相談したりするのですか?それともご自分で全部決められるのですか?

北梶さん:結構相談したりしますよ。後は自分でもボトルを買ったりするんで、最終的に自分が色々なお客様やバーテンダーさんの立場になって、実際のところ買えない様な値段は絶対つけないですね、納得のいく価格でリリースしたいので。

K:ええ。

北梶さん:そのあたりは徹底しているので、 Barで会う飲み手の方やバーテンダーさんの中には、少なからず応援してくれる方も徐々に増えてきていて。そういったお客様に支えられている部分が大きいので、そういった感覚はこれからもしっかり持ち続けて、お客様の期待にしっかり応えていきたいですね。

K:例えば北梶さんが、緒方さんにご相談されて、意見は同じになるのですか?それともこれはこうなんじゃない、という話になったりするのですか?

緒方さん:些細にずれる事はあっても、僕がそこで何だろう、「高くない?」と言いますけれど、でもそれを聞いた上で最終的に判断するのはバイヤーなので。僕はそういった意味ではもうちょっと素人寄りですよ。

K:ええ。

緒方さん:感覚としては。一般の人が2万円のボトルを買えるのかとか1万円だって大変な話なのに、まぁ言うだけです。

K:「これだったらもっと下げてもいいんじゃないの?」だったり、「もう少し高くてもいいんじゃないの?」だったりという事ですよね?

緒方さん:滅多に言わないですけれどね。

北梶さん:生産者やインポーターさんの事情もありますし(笑)。

緒方さん:基本的に値付けが適正なんで、相場じゃない、単価が上がれば上がる程コアでマーケットが絞られて来る、そういうお客さんに応えて行く一方で、下のお客さんも見てあげないと。1年間の間に1人の人が1万円のウイスキーを何本買いますか?というと、1万円のウイスキーはめちゃめちゃハードル高いよね。

北梶さん:好きでコアな魅力だけを突き詰めていったら段々周りが見えなくなって来ちゃいますし(笑)。5,000円以下でも良いボトルはいっぱいあるんで。そういったところで、幅広い色々な飲み手さんやバーテンダーさんへの提案は忘れない様にしていきたいですね。

K:ええ。

北梶さん:ブレンデッドとシングルモルトの違いやシングルカスクというものに興味を持ち始めたお客様、シングルカスクの魅力をもう分かっているバーテンダーの方もうちのお客様には多いので。幅広くですよね。あまりスピードを出し過ぎても周りが見えなくなっちゃうんで。そうするとウイスキーの魅力を伝えるチャンスが逆に少なくなっちゃうんで気を付けていかないとな、と思っています。

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※1

K:質問なのですが、買い手の方の年齢層等は分かったりするのですか?リサーチは必要になりますよね?

緒方さん:うーん、そうですね。店舗の方が分かり易いんじゃないですか、そういった意味では。ネットでは生年月日を書く人もいれば書かない人もいるんで。雰囲気でしか掴めないですけれど、店舗だと実際お客さんと接しているから。でも若い、30代40代ではないですか。どうでしょう。お客さんの中心は。

K:では逆にネットだとお名前から女性だとは分かりますよね?

緒方さん: 男性、女性は分かりますけど。

K:女性の割合はどうですか?

緒方さん:でもまだまだ少ないですよ。1割になるかならないかじゃないですかね、全体に対して。

K:いつも買われている方はいらっしゃいますか?

緒方さん:勿論。

K:ええ。ずっとお好きでその方は買われていらっしゃるのですね?

緒方さん:そうですね。

K:嬉しいですね。

緒方さん:結構女性は銘柄が決まっている様な傾向はある気がしますね。

K:ええ、安心感からなのでしょうか?

緒方さん:ネットの場合ですけれど。

K:ええ。

緒方さん:男性は新しいのが出たら食い付くんでしょうけれど。

K:そうですね。

緒方さん:女性は「私はこれ!」と決めたら、ある程度は決まっていらっしゃる様な買い方ですね。

K:確かに安心感と言うのはありますね。実際ウイスキーが欲しいなと行った時に、どうしようかなと考えて、例えば私ラガヴーリンが好きなのですけれど、他のものにも行きたいなと思いつつ、やはりラガヴーリンかな、と思ったりしますね。香り(先程から頂いているベンリアックを北梶さんが確かめられていて)変わりました?

北梶さん:いやいや、やっぱりいい香りだなと思って。(笑)

K:(緒方さんへ)先程頂いて。

緒方さん:なるほど。

K:早く頂いた方がいいと伺ったので、少し早めにクイクイと頂いてしまったのですけれど(笑)。

緒方さん:滑らかになりますよね。

K:ええ、どんどん香りが変わって行って。

緒方さん:舌も滑らかになる。

北梶さん、K:(笑)。

K:それならもっと頂かないとね。

北梶さん:そうですね。

K:女性の心理は分かる様な気がします。

緒方さん:お酒に関しては女性の方が保守的だったり?

K:ええ、そうかもしれないですね。

緒方さん:男性の方が趣味的な要素が強いのかも、僕がメカ好きなのと似てて、新しいのが出たら欲しくなるというみたいな、男ってそういう所あるじゃないですか。

K:ええ。

緒方さん:飲み物であり趣味であり、という要素が強いですよね。女性は気に入ったものを。

K:集めたいですね。たくさん購入出来るわけではないから、でも失敗したくはないし、ですね。

緒方さん:ある意味計算して?

K:ですね。

緒方さん:男は打算(笑)。

K:(笑)。

(途中北梶さんにお電話が入る)

K:お仕事のお電話ですか?

緒方さん:あぁやってしょっちゅう店舗から電話が入ります。新宿、銀座辺りがこの時間(20:30頃)が盛り上がって来る、お客さんからの問い合わせが多い。2人で焼鳥屋に行っていても22時位まで電話が鳴っていたりしますよ。

K:ええ。それは店舗の方からお電話があって?

緒方さん:「これ入る?」とか「これ在庫何本ある?」とか。そういうのはバイヤーに直接。うちの物流倉庫が閉まっちゃうんで、分かるのはバイヤー位しかいない。

K:今迄北梶さんとご一緒させて頂いた時にお電話が掛かって来た事がなかったので。ご一緒している時は遅い時間帯だったからですね。

分かりました、有り難うございます。(7へ続く)   (5へ戻る)

※1 インタビュー日撮影

※次回掲載予定日 9/2(金)

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