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単独インタビュー第14弾(2012年) 「WODKA Tonic バーテンダー三原 幸佳さんを迎えて(1)」

27 1月 2012 2,478 views No Comment

WODKA Tonicさんにて 12月某日 車がまだ混み始めない頃」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kaori(以下K):ご無沙汰しております。今回はお時間を作って頂き有り難うございます。今迄この様に取材等受けられた事無いですか?

三原さん:無いです。

K:え、そうなのですね、意外です。それでは早速お願い致します。

Q1バーテンダーになった理由、凄く伺いたいです。

三原さん:私は生きている実感が欲しかったという。

K:ええ。

三原さん:元々Barにすごく憧れていて・・。自分にとっては癒しの空間で、非日常というか。1人でいたいけれども、1人になりたくない時。こう嫌な事があったり、まっすぐにお家に帰りたくないなという時。例えばカフェとかも大好きなんですけれど、そういう事ではなくBarという世界でしか味わえないものに憧れて。それまで地元で事務職をしていたのですけれど、ちょっと自分には向いていなかったみたいで・・。本当にこう、人の呼吸、リアルな日常というか生きている感覚をというのがきっかけですね。

K:そのきっかけになった事とは何ですか?それは地元で事務職をしていらっしゃって、その時に息抜きとしてBarへはいらっしゃっていたのですか?

三原さん:そうです。特に地元のこの方に憧れてというよりは、大きい括りでBarというものに憧れて、ちょっと疲れた時に癒される空間で・・そういう所ですね、きっかけは。

K:その時は、年齢を伺っても宜しいですか?その様に思われた時は。

三原さん:初めてBarに行ったのは、20歳とか学生の時なんですけれど。その時はまさか自分がバーテンダーになるとは思ってもいなくて、素敵な世界だなと思っていて。そのOLを2年間している中で、朝、出勤して仕事して1日がそのまま終わって行く。気付いたら私は歳を重ねて・・と30歳、40歳、50歳、60歳このまま死んで行くのかなと思った時に、やっぱりどうしても自分にしか出来ないお仕事をしたいと思って。OLの2年間がなければバーテンダーをしていなかったかもしれないですね。

K:ええ。

三原さん:その2年間の中でどうしてもやりたいと思って、はい。

K:そうですか。

こちらは温かい内に頂いた方が良いのかしら?

 

 

 

 

 

 

※アールグレー+マッカラン

 

 

三原さん:いえ、大丈夫です。お好きな時に。

K:髪を上げている時の印象と、下ろしている時の印象が違いますね。言われません?

三原さん:言われます。

K:そうですよね。CASKさんでお会いした時とある方主催のイベントでお会いした時と感じが違いました。

三原さん:自分では変わらないつもりなんですけれど、やっぱりその髪を下ろしているのとでは違うようですね。でもお話をさせて頂くと変わらないと言われます。

K:そうですよね。

三原さん:でも違うね、とは言われます。

K:折角だから頂いて。

三原さん:どうぞ、どうぞ。

K:そこからバーテンダーになっていく、そこからどうなっていくのですか?

三原さん:ちょっと長いのですが、良いですか?

K:勿論良いですよ。

三原さん:私地元が福島県なんですけれど、

K:え?福島ですか。

三原さん:お陰様で、家は山の方なので命もあれば家もあり、大丈夫でした。有難い事です。

K:良かったです。

三原さん:それで地元でOLをしていて、やっぱり勉強するなら東京だと。地元ももちろんBarはありますけど、いらして下さる、出会える方の数が違うので。でも知り合いもいないですし何もなくてとりあえずお酒のセミナーに行ってみたり、バーテンダースクールに見学に行ってみて。でも、私、沖縄にとても憧れていた人がいまして。本とかを出版なされている高橋 歩さん。その方の本を読んだ時に、「夢は逃げない、逃げるのは自分だ」、みたいなそういう熱い方で。奥様と2人でバックパッカーみたいな世界1周旅行に行ったり、その旅の風景を切り取った本などを出されている方で。島プロジェクトという自給自足で生活する事をされていたり。その方にお会いしたい、もしくはその世界を見てみたくて。その島プロジェクトの基地みたいな、手作りのカフェ、上のお部屋には泊まれる所が沖縄の読谷にあって。

K:はい。

三原さん:東京へバーテンダーとしていくとなると、これから絶対に行っている余裕もないし、OLを辞めた後に東京に行く前に1人で沖縄に旅に行きました。その時に雑誌を見て行った那覇のあるBarがあるんですけれど、女性が1人で沖縄に、しかもBarに1人で飲みに行くってちょっと、地元の方なら別として珍しかったみたいで、こういう仕事、お酒好きなの?と話しかけて下さって。実はこれからバーテンダーをやってみたくてというお話をしたら、初めて会って本当に1時間くらいしかお話していないのに、じゃあ、僕の知り合いを紹介してあげるよ、って言って下さって。

K:凄い。

三原さん:その方が東京で泡盛バーと沖縄料理屋さんをやっている方だったのですね。

K:ええ、ええ。

三原さん:その方のお店にと思って、紹介してくださったんですけれど。その時にその東京の方も初対面だし何もないのにそんな突然の連絡にもかかわらず、会ってくださって。私がまだ上京する前だったんですけれど、表参道で待ち合わせをして下さいました。当時は沖縄出身の方しか雇っていなくて、うちは、今駄目だけれどじゃあ何かの縁だしこの辺りで働きたいんなら、僕がBarへ連れて行ってあげるよ、と言って下さって。私の人生の恩人のお2人です。

K:本当にそうですね。

三原さん:その方のお店や、他にも何軒か。ウォッカトニックにも連れて来て下さって。

K:ええ。

三原さん:その時は女性を雇っていなかったり、スタッフさんがいっぱいなどで5つ位のお店を回って下さいました。その時の1つに麻布十番にある月光浴というお店がありまして、そこが私を拾ってくれて。そのお陰で無事就職が決まり、就職と同時に上京して、お家も地元から出て来て決めて、そんな感じで運良く。

K:1つ1つ思われて、1つ1つのご縁の点と点が繋がって。

三原さん:ええ。 

K:正直なところ福島から沖縄、そして東京みたいな。

三原さん:(笑)ええ。

K:最初から東京と思われていたのでしょうけれどね。

 

 

 

 

 

 

 

三原さん:本当に感謝だけというか人生どこでどう繋がっているのか。

K:本当に分からないですね。今でもお付き合いが?

三原さん:そうですね。最近はたまに来てくださいますね。

K:それが何年位前ですか?

三原さん:9年弱ですね。

K:何月にバーテンダーになったのですか?

三原さん:5月から。5月に上京、出会いがあって正式に6月から働き始めましたね。それが22歳の時なんですけれど。

K:そうすると今は?

三原さん:31歳です。

K:え、見えないですね。

三原さん:そんな事ないです。子供っぽいんです。

K:いや、良いと思いますよ、その方が、絶対に。

三原さん:そうですか?あっという間の。

K:あっという間ですね。最初はどうでした?きっとこうだろうと思って入られたとは思うのですが、実際はイメージとは違うものでしたか?それとも想像通りでしたか?

三原さん:想像以上に楽しかったです。勿論大変だなという事とかどうしようとか。いっぱい、いっぱいになる事はたくさんあったんですけれど、本当に環境というか周りの方に恵まれていてやっぱり楽しかったですね。本当にこうやりがいというか生きがいというか、まるで呼吸をするとかご飯を食べるみたいに、自分の自然な一部というか日常の上で当然というか。勿論プロとしてお金を頂く、仕事なんですけれどこう嫌だとか仕事に行きたくないなと思った事は、殆どなかったですね。

K:元々考え方は前向きですか?

三原さん:実はかなりネガティブなんです(笑)。

K:(笑)。

三原さん:本当に自分でも嫌な位、何でこう後ろ向きというか、落ち込み易くて。反省は大事だと思うんですけれど、過ぎてしまった事をぐずぐず落ち込んでもしょうがないと思うのに・・あーとか落ち込むタイプで。

K:でもその気持ちの切り替えはどこでされるのですか?結局お店に立たれた時は、お客様に楽しんで頂きたいと思うと、その切り替えは?

三原さん:切り替えは自然と出来るというか、お店の空気というか「おはようございます」、と言って気持ちは自然と。無理矢理、ベストを着てネクタイをしてサッとして、かちっというよりは自然に変わって行きます。

K:おはようございます、と入った瞬間にバーテンダーとしてスーッと?

三原さん:仕事だという感じなんで。オープンのライトを点ける時に気は引き締まりますね。あ、仕事だって言う風に。

K:ええ。素敵なお話ですよね、伺えて良かったです。皆さんそうなのでしょうけれど、カウンターのこちら側もご存知で、中の事も分かるから気持ちがお分かりになりますよね。

三原さん:分かりたいと思って日々精進です。(2へ続く)

 

※次回掲載予定日  2/3(金)

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