単独インタビュー第19弾 「Bar Scotch Cat オーナーバーテンダー高橋 妙子さんを迎えて(5)」
K:妙子さんがその場に居たい、自分が居たい、自分がそういう場所を作りたいという事ですよね。
高橋さん:そうですね、それはあると思いますね。
K:あーこの雰囲気良いなと思われて、
高橋さん:そうそう。
K:自分がその雰囲気を作りたい、
高橋さん:うんうん。そういう雰囲気を作る人達が、私がもしかしたら30年やりますと言わなくたって、やっていくバーテンダーさんはきっと沢山いるのかもしれないけれど、そういう私が良いなと思った空気、あの酒場の空気って、作って伝えていく人がいなかったら、もしかしたらなくなっちゃったら嫌だなって思って。そしたら、私が作り続けているものを良いなと思ってもらって、他にもそういうお店が沢山増えて、皆Barに行くのが大好き、酒場に行くのが大好きになってくれたら良いなと、いうね、何しろなくなっちゃうのが嫌なんですよ。
K:ええ。
高橋さん:バーテンダーであると同時に、私もバーユーザーの1人なので、だから、そういう空気、そういう飲み屋さんがなくなったら本当に困るんですね。
K:そうですよね。そう思います。
高橋さん:飲み手と同時に私も行きたいから皆頑張って、いう様な(笑)。
K:(笑)分かる気がします。凄く分かります。その原動力もお伺いして、でも負けず嫌いという事も大事だと思うのですが、違う言葉も出て来られたので、そちらの方が根本なのかなと。
高橋さん:うん。
K:だと思います。
高橋さん:後は、やっぱりどのバーテンダーさんもそうだと思う事かもしれないですけれど、基本的に人が好きじゃないとこの仕事って出来なくって、さっき私は小心者です、と、人見知りですと言いましたけれど、本当にそうなんで、凄く寂しがりで(笑)皆と一緒にいたいくせに小心者なんですよ。でもBarをやっていると皆さんお酒を飲みに来てくださるじゃないですか。ま、悪くないなと、気に入って通ってくださる内に、その内私に会いに来てくださる、お酒を飲みに来ると同時に私に会いに来てくださる、ただそれが嬉しくて。
K:嬉しいですよね。
高橋さん:そうなんですよ。それが毎日の営業っていう意味では、それが1番の原動力何だろうって思っていますよね。初めていらっしゃる方でも一生懸命お話させて頂いて、一生懸命お酒を作らせて頂いて、あんまり良い反応が返って来なくて、もしかしたらあんまり気に入ってもらえない、もらえなかったかなと思った時でも、そのお客様の方も表現下手だったりして、
K:そうなのですよね。
高橋さん:そうなんですよ、ニコニコするわけじゃないし、あんまりお話をするわけじゃないけど、実は居心地が良くないと思っているわけじゃなくなさっていて、次も又次も来てくださったりすると、あ、良かった、うち嫌じゃないんだって。
K:そうですよね。
高橋さん:だから又来てくれるんだなって。そういう1個1個が毎日の原動力?になっているんですよね。
K:最初に心を開かれなかった方が通ってくださったり、又来てくださったらこう(ガッツポーズ)(笑)?
高橋さん:そう、やったぞっていう、
K:こう、(小さいガッツポーズ)嬉しいって。そうですよね。勿論、普段からのお客様も大事でしょうけれど、表現がお上手ではない方が又いらっしゃったら、あ、間違いという訳ではないですけれど、
高橋さん:うん、うん。
K:良かったなと思いますよね。
高橋さん:勿論、Barの楽しみ方も、過ごし方も、表現の仕方もお客様によってそれぞれなので、何回来たって、何十回来たって、ニコニコ自分の話ばかりをする方ばかりじゃない人がいて、毎回いらっしゃる度に、たいして楽しそうにしていない、と言ったら失礼ですけれど、黙っていつものお酒を飲んで、ある意味ぶすっとして帰る(笑)、
K:(笑)
高橋さん:という方でも嫌だったらそんなにしょっちゅう来てくださらなくて、まあまあでも、そんなに仲良くお友達みたいに話さなくっても定期的にポツポツ来て下さる。嫌じゃないからこそだと思うと、ま、ある意味ここは1クッション置く寛ぎの場に出来ているんだと思うと嬉しいんですよね。
K:嬉しいですよね。
高橋さん:本当に。
K:ええ。有り難うございます。Barがお好き、酒場がお好きという事でお伺いしたいのですが、
Q5、今迄最高に召し上がり続けたお酒はございますか?ひたすらそればかり飲んでいたり、例えばずっと同じカクテルばかりを飲み続けられたというもの等、どの様なシチュエーションでも良いのですが、ありますか?
高橋さん:短いスパンずつではありますけれど、ありますよ。その時その時で。
K:最近思い浮かぶものは何でしょうか?
高橋さん:最近だと何だろう。最初にBarに行って、ウイスキーに嵌ってからは、今迄ずっと必ずって言う訳ではないけれど、継続して好きでずっと飲み続けているものはやっぱりバルヴェニーなのかなと。
K:ええ、そうなのですか。
高橋さん:最初にウイスキーに嵌るきっかけになったウイスキーでもあって、やはり最初の頃はご多聞にもれず、茶色のお酒が苦手で、ウイスキーって、うぇーっていう、こんなの何で?と思っていたんですけれど、最初に通っていた本厚木のBarで、バーテンダーさんからバルヴェニーの15年のシングルカスクを出してもらって、こんなにちょっぴりの液体で、こんなに幸せになれるって凄いと思わない?って。言われて。言われてみたら、確かに強いけれど香りの強さだったり、コシの強さだったり、凄いな、と。ちょっぴりずつなめる様に飲めるようになって、そこからですよね、ウイスキーって面白いって。そこからシングルモルトも、他のウイスキーもどんどん飲めるようになって、そういう意味ではウイスキーに嵌るきっかけになった礎みたいになって思い出になっているというか、それはいつもではなくても継続して飲んでいるウイスキーではありますね。(4へ戻る)
※次回掲載予定日 7/26(金)
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