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単独インタビュー第14弾(2012年) 「WODKA Tonic バーテンダー三原 幸佳さんを迎えて(2)」

3 2月 2012 2,371 views No Comment

 

 

 

 

 

 

 

 

KQ2:CASK(カスク)さんに入られたきっかけ、他の店でも働かれていらっしゃいましたか?今はウォッカトニックさんにいらっしゃっているけれども、初めはカスクさんで宜しいのですよね?

三原さん: はい、そうですね。月光浴にいる時から、カスクの社長、篠崎とお話はさせて頂いていて。篠崎は元々月光浴で働いていたので。私が月光浴に入った時には、カスクのオープン前の準備期間みたいな感じでした。ただお会いする前から数々の伝説というか噂を聞いていまして(笑)、それ位凄いと言うか話題に上る尊敬すべき人で。一緒に働いた事は無かったのですが、月光浴に飲みに来てくれていたので面識はあり、お話はさせて頂いてました。元々私がカスクに憧れていまして。何も分からないけどなんてかっこいいのだろう!!みたいな・・。もの凄いお酒、お店作りと言いますか、ドキドキしながら入って行くあの地下への入口・・、あの扉を開けた瞬間のあの世界感というものに凄く憧れていて。

K:はい。

三原さん:月光浴でお世話になって辞めると決まった時に、ご挨拶に行きました。こんなお店で働けたらと思っていましたが、まさか本当に私がカスクで働けるとは思ってもいなくて。篠崎という人間に私は憧れていまして。

K:ええ。

三原さん:凄いバーテンダーの方だと尊敬していました。緊張して上手く話せないくらいに。それなのにお会いした時に「三原ちゃんうちでやらない?」と言って頂いて・・・ 「え、いいんですか?」みたいな。

K:ええ。

三原さん:その時も又、人生の恩人の方が増えまして(笑)、夢のようでしたね。

K:はい。

三原さん:あ、夢って叶うんだって。夢って叶えるものですけど、こんな事が起こりうるのかという。

K:ええ。

三原さん:こう地道にやる事や、やるべき事を一生懸命やっていれば道って絶対に繋がるんだって思いました。

K:私まだ篠崎さんにお会いした事がなくて。

三原さん:あっ、そうなんですか?

K:はい。おそらくカスクさんに伺った時に、と言っても数える程しか伺っていないのでそれもあって、その時もいらっしゃらないですよね。

三原さん:おりますが・・日中も色々と活動しているので、やはり出勤も8時過ぎ位からなんですね。日曜日はお休みですが。けれど私達みたいに常にいるわけではないので、確かに時間が合わないと。

K:そうですよね。おいくつ位の方なのですか?

三原さん:39歳です。私はカスクに入って4年7カ月なんですけれど。

K:夢の年月ですね。

三原さん:はい。

K:カスクさんに入られて、ウォッカトニックさんの在籍はどの位ですか?

三原さん:ウォッカトニックを経営させて頂く事になったのが、丁度11月からで、山田が2年強。私が異動して来てからは1年半位です。

K:私がウォッカトニックさんに初めて伺ったのがある方のイベントの時だったのですが、ウォッカトニックさん自体は存知上げていたのですがお邪魔した時はその時が初めてで、その後数回ですけれど伺わせて頂いた時に、山田さんから、カーテンを外して、という事や照明を変えたんだ、という事を伺いました。色々と試行錯誤でウォッカトニックさんをより良くされているのだなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

三原さん:こちらのお店は本当に暗かったのですね。今のKaoriさんのお顔も見られない位本当に暗くて。

K:ええ。

三原さん:お客様の手元も見られない、ボトルのラベルも見えない位で。今はお食事のご用意もしているので、色合いやお客様の表情等見える様にだいぶ明るくしました。

K:丁度Q2でご質問をしようとしていたカスクさんに入られたきっかけ、他の店でも働かれていらっしゃいましたか?の質問に答えていて頂いたような。

1つ伺っても宜しいですか?銀座で、とは思わなかったのですか?

三原さん:はい。正直なかったのですよね。

K:ええ、そうですか。どこが良い等分からないのですが、もしかしたら銀座とも考えていらっしゃったのかなと思ったものですから。

三原さん:私が地元にいる時から、行って見たかったBarはたくさんありました。ただ・・私が最初にBarを考えたのは人に癒されたから、なんですね。あまり堅苦しく「今晩は。」と言うよりも。

K:ええ。

三原さん:話し掛けられたくない時は、話し掛けない。お酒、サービスのクオリティーが凄いお店で人が柔らかいと言うか、堅苦しくなく飲めるというのが素晴らしく良かったので・・。でももしかしたら最初に拾ってくれたお店がそういうお店だったら、凄く勉強になったとも思うし、そういう経験も必要かなとも思うのですが、ずっとこの辺りしか知らないので自然な流れでというのもありますし、こう楽しんで・・勿論他が楽しくないという訳ではなくて。

K:ええ、イメージとして、ですよね。

三原さん:はい。「ね、ちょっと聞いてよ。今日さ」、みたいな、でも決して友人ではない。バーカウンターで守られているこの距離感が凄く良くて、居心地がいい、みたいな考え方です。味も分からないくらいの緊張感、もまたいいんですけれど。もちろん、銀座にも色々なお店がありますし、一概には言えないですが、街の雰囲気の好みです。

K:分かる様な気もします。

三原さん:という感じでしたね。

K:Q3、初めてカウンターに立たれた時は、どうでしたか?どういう緊張感と言いますか。

三原さん:何て言うんですかね、何と言うか・・もう何に緊張しているとか言えない程の緊張というか、もう何が何だか分からない、そういう緊張と、何か無限の期待というかワクワクしました。

K:最初の時がですか?

三原さん:そうですね。

K:最初のお客様は、覚えていますか?

三原さん:覚えています。その日は無我夢中で実際は何も出来なくて洗い物をしなくちゃ、だとか邪魔しないようにしなきゃとかそういう感覚だったんですけれど、まずネクタイを締めた事がなくて。

K:ええ。

三原さん:その初日にネクタイが締められなくて、その時の店長が「全く」って言って(笑)教えて締めてくれて。

K:でもネクタイって中々ね、して差し上げたとしても反対ですしね。自分でというのも中々ね。あとネクタイのこの部分は、みたいなバーテンダーの方によってこだわりと言うのか、お師匠さんもこういう風にしているからというのがありますよね。

三原さん:ありますよね。長さとか、締め方とか。それで教えてもらって「はぁー」って。すでにそれでいっぱい、いっぱいの始まりで。皆さん本当に温かい方達ばかりだったので、見守ってくれて。初めてお酒をお出ししたお客様はもう絶対忘れないですね。

K:それは男性ですか?女性ですか?

三原さん:男性のお2人様で、そのお店の常連さんだったのですね。

K:そうなのですね。

三原さん:タンカレーのジンライムです。その方タンカレーがお好きで、忘れないですね。

K:緊張というのか、震えとかはないのですか?

三原さん:震えましたね、緊張しましたし、バースプーンもまだうまく使えないし。本当に何も知らないで飛び込んだので。ウイスキーの原料、ジンの原料、それも分からない様な、でも取り合えずやりたいんです、みたいな。とりあえずマティーニのレシピだけは覚えました!!みたいな(笑)。

K:(笑)。

三原さん:そんな感じでNBAのカクテルブックを見て、ギムレットはとか、カクテルのレシピひたすら書いて覚えなきゃとか、そんなレベルで何も出来なくて。本当にもう。だから逆に入れたのかも知れないし、楽しかったですね。

K:三原さんは、左利きですか?

三原さん:私、右利きなんですけれど。

K:何かの時に左手で出されていたから。

三原さん:これは自然になんですけれど・・。試飲会に行ってひたすら飲む時にメモを取って全部書ける様にグラスだけは左なんです。字は右で書くので。何も考えずにグラスを持つ時は自然に左で取っちゃったりとかするんですね。

K:ええ。

三原さん:だから自然に左ですね、グラスは左で、右で写真を撮ってとか。

K:そういう事だったのですね。私は左でグラスを持つようにしています。

三原さん:はい。

K:そのきっかけは、私の場合は左で持った方が右利きなのですが、利き手ではない方を使った方が綺麗に見えるという風に聞いてか何かに書いてあったのを見て。

三原さん:ええ、そうなんですか?

K:ぎこちなさが、何か良いみたいで。それから左手で頂くようになりました。そうしたらたまたま仰るみたいに頂きつつ書けるから、たまたまその流れで右手よりも左の方が多くなっていますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

三原さん:ええ。だから字とか利き手は右でグラスは左で。でもなるべく両方使えたら便利だなと言うか良いなと言う事もあって。左の手の動きも出来たらなと思ってます。例えば手荒れとか怪我しちゃいましたと言う時に、仕事中はバンドエイドをしない様にしていますが、しちゃいました、と言う時は右手をなるべく使わない様に・・。左手で注げるようにとか、ライムやレモンなどフルーツを左手で絞れるようにとか、ただ綺麗にステアとかは出来ないんですけれど。グラスを出す時に右手が荒れていたら、左手でキレイに出せるようにっていうのは、していますね。 

K:それは普段からですか?

三原さん:はい、そうですね。

K:それは三原さんがご自分で考えた事なのですか?

三原さん:はい、そうですね。

K:誰かに言われたわけではなく、見たのでもなくて?

三原さん:何となく。

K:ご自身で考えられたのですね。それが身に付いて。

三原さん:やはり見せるお仕事と言うかしぐさも綺麗でなければいけないお仕事なので。私ちょっと手荒れをする体質なので・・。自分の理想というかやはり荒れている手で出されるよりも綺麗な手の方が美味しく見えるであろうだとか・・。お客様が凄く心配して下さって。

K:ええ。

三原さん:ハンドクリームを下さったりするんです。心配して下さっているんだなと本当に有難くて。見ていて下さるんだなと。ただ、逆に見られているんだなと。そうするとプロとしてちゃんと治さなくてはと思います。今は良い病院に通っていて自分に合うビタミン剤を頂いているので、飲むと治りが良くて、大分、楽です。後、おっちょこちょいなのでよく切るんです(笑)。マヌケなので。

K:体質的に荒れてしまう方もいらっしゃいますものね。

三原さん:本当に荒れる方は荒れますから、私なんていい方だと思います。

K:存知上げる方が手荒れをされる方がいますが、大変だなと思います。常に水や洗い物をされていますものね。何かをすればすぐに手を洗っていらっしゃいますしね。 (3へ続く) (1へ戻る)

 

※次回掲載予定日 2/10(金)

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