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単独インタビュー第13弾 2011年末特別企画 「目白田中屋 栗林氏を迎えて(最終章)」

31 12月 2011 2,841 views 2 Comments

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K:私がBarにお世話になって、ウイスキーにお世話になって思った事は、とても素晴らしい方に本当にお会いしているので、ご一緒している女性方も、又今参加して下さっている方達が本当に気持ちが良い方ばかりで。ですから余計に出来れば、ご自分の仕事を当たり前の仕事だとは思って頂きたくなくて。色んな方達と交流される事によって自分達の仕事だけではないのだと思う場になって頂けたらと。20歳代の方がいらっしゃったり、40歳代、50歳代以上の方がいらっしゃったりして、Barとウイスキーがご縁を繋いで、世代を超えた、職業を超えた交流の場がBarであり、ウイスキーであれば私は良いなと思っています。それとBarとウイスキーが好きなのでそれで繋がって、こうお互いの事を尊重しながらお話をされている部分があるので、そういうお気持ちで参加して頂けたらいいなと思う部分があります。後はお洒落に。

栗林さん:だって周りの人は酒に詳しくなりたいわけではないでしょう?

K:(笑)。でも中にはいらっしゃいますよ。

栗林さん:そういう人は1万に1人位は要るかもしれないですけれど。女の人の目的ってやっぱり楽しく過ごす事だし綺麗にしていたいし、やっぱりそういうものだと思うんですけれど。だから根本を間違わなければ大丈夫じゃないですか。女の人が何が好きなんだろうと思うと、ウイスキーが好きなわけではないし(笑)。

K:え、私は好きですよ。

栗林さん:いやいや、そういう人もいますけれど。

K:美味しいですからね。

栗林さん:そこが美味しいものなんだよと気付かせる事が大事ですからね。美味しいものですからね、本当に。だから意外と単純なんですよね。だって、バーテンダーのドラマで、あれでどれだけ売れたかって。

K:ええ。

栗林さん:ウォッカが。そんなもんですよね。

K:ええ。

栗林さん:そこで根付くわけではないけれど、でもそこで買ってその内の10人の1人でも、20人に1人でも「あ、美味しいかもしれない」と思ってくれたら。

K:私今ウイスキーを頂きながらだから思ったのかもしれませんが、自分で何か行動してみるという事も大切かなと。

栗林さん:ま、人ってそれぞれだから。でも行動する人が幸せで、しない人が不幸せではないですし。

K:はい。

栗林さん:笑わなくても楽しんでいる人は結構いるし、それを無理して笑わせようとしなくもていいし、そういうのは大人なんですよね。酒って大人しか飲めないので、大人の愉しみ方ってあるんで。子供の時と学校とは違うから皆で手を繋いで一緒に踊りましょう、ではなくて、踊らない人も楽しんで、会場にていてもそれも楽しみ方だと思うし、で踊らないでいる人も楽しいし、それが大人だと思うしBarでそれは学びましたね。一緒にしゃべらなくてもそれはそれで楽しむ人がいて。

K:自由参加型女性ウイスキーの会がご好評頂いているのは、男性女性分けるのはあまり好きではないですが、男性の方が、例えばある方のイベントをします、と例えば平日の19時から開始ます、となるとおそらく男性陣は19時か、となって数日前から会社を18時半には出ないと、と計画を立てられると思うのですが、女性の場合ですと、行きたいけれどその日は会議が入っていたり、入るかもしれないとなると難しい、となって「参加出来ません」という事になってしまうケースが多くて。女性の方もお仕事を一生懸命頑張っているし、ですから会につきましては20時スタートですから、いつからでもいらっしゃって下さいというスタイルにしています。そうすると22時から参加される方もいらっしゃいますし、20時とお伝えしていても19時から待っていらっしゃる方もいらっしゃいますし。それはBarの方に対応して頂いているのですけれど、ですから私もなるべく早く行くようにと思っています。わりと制限しない方が女性がお好きなのだなと実感しましたね、イベントを開催して感じた事は。参加されますか?と伺った時に、仕事が何時に終わるか分からないから辞めておきます、と仰る事もありまして、そうか、と思ってそれなら時間を縛りつけないでした方が楽しい時間を過ごす事が出来るのかなと思っています。試行錯誤していますからそれが正しいのかは分かりませんが、色々とやってみるのもいいなと思っています。

栗林さん:会は積み重ねですからね。本当、1人でも2人でも2人なら2人でその人が良かったなと思って帰ってくれればそれでいいじゃない。人数が多いだけが全てじゃないし。

K:ただ数で安心する場合もあるのではないかと多少は思うのですけれどね。私は違うのですが、例えば流行っているものを購入されて安心されるケースも多いので、皆さんがそうしているという事に対して安心する方も多いですよね。私は逆なのですけれど。

栗林さん:うん。やっぱりそうですね。モルトか…。

K:流行らせたい、流行らせたいと思っているわけではないのですよ。

栗林さん:僕は本当にモルトを流行らせたかったですもん。潰れてから流行ったから(笑)僕は失敗者だから参考にはならなくて。

K:(笑)

栗林さん:でも多分さっきの話じゃないけれど、Kaoriさんがやっている事は、やっている事と同じ思いの人は他にいて、多分繋がりますよ。

K:本当ですか?

栗林さん:うん。あちこちに1人ずつ繋がって、女の人でモルトを美味しいなと思っている人は確実に増えているんでそういう人が1人が2人になって3人位になって、だから心配しなくて良いんじゃないですか?

K:私が開いている会に1回のみしかいらっしゃらなくてもいいと思っていて、

栗林さん:しかも小手先な事じゃなくて、そういう地道な事で広がって行くから、それは本当に広がりますよ。ゆっくりと熟成しながら(笑)正に。だから全然心配しなくて良いんじゃないですか。広まりますよ、きっと。確かに。

K:はい。

栗林さん:バッとじゃなくて。

K:少しずつ。

栗林さん:モルトを皆、美味しいものを出そうと思っているし、今。

K:ええ。

栗林さん:作っている人達は。少し細か過ぎるところもあるのですが、それは悪い話じゃないですからね。心配しなくていいですよ、広がりますよ、そのままで。

K:はい。そうですね。まだお時間大丈夫ですか?

栗林さん:うん、大丈夫。どんどん違う所へ行くからな。

K:大丈夫です。私栗林さんにインタビューをするという事でお2人の方からご質問を頂いているのです。その事について答えて頂きたいと思います。

栗林さん:はい

K:お1人目から

Q1田中屋さんがポリシーを持って店頭販売のみにされていることは十分承知しておりますが、私のような地方在住者にとっては少々残念な気持ちであることはたしかです。そこで質問です。海外からの個人輸入ですら容易になっている昨今、店頭販売に拘る理由を改めて伺いたいのと、今後の販売展開に対してのお考えや展望などお聞かせ願えればと思います」(Yさん)

栗林さん:本当に本当に皆さんにしたいんですけれど。したいけど、したいけれど結構難しい質問ですね。難しくないんですけれど言い方が難しい(笑)。

K:頂いた文面をコピーしただけなのですが(笑)。

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栗林さん:うん、何だろうな、僕、さっきの話にも戻っちゃうんですけれど、モデルになっている酒屋があってイタリアに。もう20年近く通っているんですけれど、売り上げが全然変わっていない酒屋なんですよ。もう全然変わっていない。そこをモデルにしているんですよ。

K:ええ。

栗林さん:そこが大事にしているのが、何か「face to face」なんですよね。

K:分かります。

栗林さん:何か難しい話だな。言葉とか書くものって、あまり、人間ってそれ以上の事もしゃべっていない事以上に色々と思う訳じゃないですか。あの人はどうって。口ではいっぱい言えるけれど、本当に大事なものは、そこの酒屋が言っていたのは、ヨーロッパでは10年で100店舗の店を作っても一流とは言われなくて1店舗で100年続いた店をクラシックと言うんですって。

K:ええ。

栗林さん:だからアメリカの酒屋みたいにどんどん吸収して100店舗作りました、金も売り上げも何倍です、それはヨーロッパではビッグとは言うけれど、クラッシックとは言わない。1店舗で100年続く店を作りなさいって。だからそうした時に何かって言うと、その人は本当に1人1人を大事にしなさい、お客さんを。1人1人を大事にするには、日本全国の人にそうしたいですけれど、自分の出来る1人1人に会って、話をしてどうのこうのって言って。本当に色々な地方にいっぱい素敵な人はいるでしょうけれど、僕は目の前の人を精一杯するしかないんですよ。それも積み重ねでしょうね。これはある人に言われたんですけれど、鏡に映った時だけ一生懸命ではなくて、この範囲に来た時にあの人どうした、あの人どうしたって言っていたら大変で、自分達の出来る事ってこの範囲でしか、どんなに広げても2mだったらこの範囲だけちゃんとやるしかないんですよ。

K:ええ。

栗林さん:それ以上広げて出来るんなら良いんですよ。出来ないんならそういう浮ついた事はしない方が良いんですよ。それが100年続く。だから出来る範囲をやりたいだけで、出来るならいっぱいやりたいですけれど、そうすると色んなものを、色んな不届きがあったりするんですよ。ちゃんとした物を売る仕事なんですけれど、作っている人を大事にしたいし、買ってくれる人も、その時その時に出来る範囲ですよ、出来る範囲をしたいだけですよ。出来ない事を簡単にしたくないって言うか、言い方難しいですね。

K:ええ、でもはい、分かる気がします。

栗林さん:うん。ただただ、出来る事をしたいだけで能力がないだけです、はっきり言って。それが答え。自信がないだけです。

K:私もずっとお客様の仕事なので、私の時間に合わせていらっしゃって頂いたりするとやはり有り難いですよね。

栗林さん:分かるでしょう?heart to heartですよね。何かやっぱりそうなんですよ。

K:それを自分が知っているので、だから買うっていう事は出来るのですけれど、だからBarに行くっていうのもあるのですよね。

栗林さん:そうですね。

K:人って何でしょうね、行きたい所には行くのですよね。

栗林さん:本当に言うと、人って目に見える物よりも目に見えないものを大切にしている人の方が凄く信頼出来て、そういう人って裏切らないんですよ。で、人って目に見えないものに感動するんですよ。酒もそうですけれど、ラベルは目に見えて味とか香りとか目に見えないじゃないですか。そういう雰囲気も目に見えないじゃないですか。値段が安い方に行く人はどんどんそっちに行くんですよ。

K:ええ。

栗林さん:ではなくてそういうのって多少値段が高いじゃないですか。人間って実は目に見えないものに感動するんです。だから味もそうだし香りもそうだし、雰囲気もそうだし金じゃないんですよね。数字じゃないんですね、そういう所じゃない所に感動して、そういう人に目に見えない所に感動する共通点を持つ人を大事にすると絶対間違いがないですよ。僕の自信は、はっきり言って自信は、何でやらないんですか?そのそのやり方で間違いがないからです。そのバックボーンがあるから。

K:はい。

栗林さん:自分が間違っていないと思えるし、先輩がイタリアにいるんで。そこまで言っちゃうとあれですけれど。皆の事を愛しているし、皆さんを大好きだけれど目の前のやれる事しか出来ないっていうのが真相です。

K:ええ。

栗林さん:だからそうです。味もそうです。目に見えないものなんですよ、それに人は感動するんです。

K:そうですね。有り難うございます。それでは次の方です。

Q2色々と新しいものが出てくる中で、新しいのに60年代とか、昔の良さをうまく受け継いでいるものってどれだと思われますか?」(Kさん)

栗林さん:蒸溜所の事ですかね?

K:そうだと思います。

栗林さん:難しい質問だな。

K:栗林さんだから難しい質問でも良いと思われたのではないでしょうか?

栗林さん:モルトって何があったんでしたっけ?(笑)僕はあれですね。僕の中では、素材と材料が良ければ美味しい。例えばプルトニーとキルホーマンですかね。キルホーマンはまだ僕飲んでいないから。

K:又寝かせると又違ってくるからですか?

栗林さん:スプリングバンクもいいと思いますけれど、僕の考えではそんなに寝かせないで、流行りに流行んないで今ピートとか言いますけれど、そういうソースを掛けないで10年位で味わいがこの蒸溜所だと分かるものが60年代を受け継いでいると思うんですよね。だから蒸留所とかは分からないんですけれど、10年後に受け継いでいるものが60年代に近いんではないでしょうか。10年物で美味しいものを探しましょう、という感じですね。それこそ10年、12年が美味しかったから。

K:そうですね。

栗林さん:それがモルトの未来だと思うんですよね。30年熟成40年熟成が高いものじゃなくてそういうものが出て来て欲しいし、そういうメッセージを作り手にも送った方がいいと思うんですよね。

K:そうですね。

栗林さん:10年で美味しいものを作って下さいって。

K:分かる気がします。

栗林さん:kaoriさんもメッセージを発した方が良いですよ。どう思われようとも。

K:そうですね。

栗林さん:僕は昔は蘊蓄野郎だったし、でもそんな完璧じゃないしKaoriさんも色んな人と会って、こうした方がいいと思って行動していって、でもそう思わない人もいるんだって学びながら、だから絶対大丈夫なんですよ。だから僕はいつも反省しながら(笑)生きているから、未だに怒られるから、あー今度こうしようって。だからさっきの質問じゃなくて地方の人にももっとしたいなと思っているし、そういう方法もあったらいいなと思っているし、自分の出来る事をやるしかないから。でも良い事ないかなって思っていますから。

K:ええ。

栗林さん:だから人間はいつでも成長しましょうと(笑)。反省しながら、又悪く思われた、って。

K:栗林さんはそう見えないですけれどね。次に行きたいと思います。

私の定番の質問がございます。私はBarとウイスキーについて感動した出来事がありますが、栗林さんの出来事も是非教えて頂きたいのですが。

栗林さん:何だろう。しょっちゅう感動しているから。フランコの話が去年の話だから、「元気だよと言って元気じゃないじゃん」って。

凄い格好している人が上からビシッと決めている人が、社会的に有名な人が物を取られちゃったよ、とまぬけな話が出来ちゃう人。それを言えちゃう人って良いですよ。大人ですよね。

感動した話?うちで色々と買って配送になって12年と20年物を間違えて入れちゃったんですけれど、そのBarの人が「栗林さん、この前買った時にレジが混んでたからかもしれないですけれど、12年物が入っていて」って。でもその人でも「売れるから大丈夫ですって。で、「すぐ持って行きますよ」って言ったんですけれど、「売れますよ」、って。「僕は他にも色々な物をもらっているし色んな意味で」って。何か格好いいな、粋な人だなって。バーテンダーってそういう人多いですよ。

美味しいウイスキーは、マネージャーチョイスのグレンオードですかね。ある所で飲んだ。開栓してから1年経って、栗林さんに飲んでもらいたくって、って言われて飲んだら、シイタケだった。僕はそういうのを感動しますね。だからバーテンダーって感動しますね。優秀なバーテンダーの方にお任せしちゃった方が良いんですよ。ある程度ヒントを渡して。

K:分かります、仰る通りですね。

栗林さん:そういう呼吸が良いですよね。

K:何回か行ってそういう事が分かりますよね。

最後にウイスキーを愛する方々に、何か一言お願い出来ますか?

栗林さん:僕も皆さんの事が好きです(笑)。

K:(笑)有り難うございます!

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Kaoriの総論

以前から栗林さんのインタビューをさせて頂きたいと思っておりましたが、まさか快く受けて頂けるとは考えてもおりませんでした。実際にお話をさせて頂き、発する一言一言が愛情に溢れ、お話を伺えば伺う程栗林ワールドに引き込まれました。様々なご苦労を乗り越えた上での厚みのある内容と1つ1つに丁寧にお答えになる誠実さに感動致しました。栗林さんが仰った事を私の力に変えて、今後も皆様に楽しんで頂ける内容を考えて参りたいと思います。

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※取材協力 目白田中屋 http://tanakaya.cognacfan.com/

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2 Comments »

  • だいちゃん said:

    あけましておめでとうございます。

    ウイスキーコンシェルジュの田中屋栗林さんのインタビュー拝読しました。
    田中屋さんにはお世話になっているのですが、栗林さんの人柄がとてもよくわかるインタビューでした。
    ビッグとクラッシックの違いや田中屋さんの目指すものってすごくお店作りに表れてますよね。
    私は2011年がモルト元年だったのですが、たまたま引っ越した近くにあるBarでウイスキーにはまり、そのバーテンダーさんからキャンベルさんをご紹介いただき、田中屋さんも教えてもらいました。
    私は東京にいるので、目白に足を運べば田中屋さんでお酒が買えますが、それも縁だと思うんですよね。

    2011年はいろんなお導きでいろいろなお酒や人とのご縁があり、いろいろな経験ができました。
    かおりさんには及びませんが、微力ながら私なりにウイスキーの魅力を広めていきたいと思っています。

    世界一素晴らしいモルトなでしこの皆さんに2012年も幸あらんことを!

  • Kaori (author) said:

    だいちゃん様

    明けましておめでとうございます。

    この度はインタビューのご感想を頂きまして、誠に有り難うございます。
    とても嬉しいです。

    栗林さんのお人柄が本当に表れていますよね!

    実はインタビューさせて頂いている私が、出来上ったインタビューを1番楽しみにしているのかもしれません。

    今後も又インタビューを掲載して参りますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

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