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単独インタビュー第15弾 仙台旅行 再訪記念企画「Bar Andy 安藤 宗貴氏を迎えて(3)」

13 4月 2012 1,995 views No Comment

K:Q4、震災前と震災後では、何か変化はございましたでしょうか?1番と言いますか、断言は出来ませんが飲食業にも関わって来た事もあると思いますが、具体的にあれば教えて頂きたいと思います。 

 

 

 

 

 

 

 

 

安藤さん:そうですね。お客様がお帰りになるのが早くなりましたね。 

K:ええ。 

安藤さん:お早く見えて、お早く帰る。という。遅くまでお客様で賑わっていた時もあるんですけれど、地震の後は特に早くなりました。0時前でしょうか。 

K:お家に着くのが早くした方がいいと言う事でしょうか。 

安藤さん:そうですね。多分そういう事だと思います。それが1番ですね。皆さん、早くなりましたね。 

K:Andyさんの営業開始が15時からと伺いました。前から15時からだったのですか? 

安藤さん:そうですね。3~4年経ちます。早く開けるようになってから。 

K:はい。でも遅くまで3時まで営業されていらっしゃるのですよね。シフトとはいえ、12時間ですものね。お客様にとっては、早くいらっしゃりたい方はいらっしゃる事が出来るし、遅い人は遅くて、こう選べますよね。 

安藤さん:ええ。 

K:早くから召し上がりたい方は15時からしてらっしゃれば逆に嬉しいですよね。 

安藤さん:そうですね。その時間に飲めるのが大丈夫な方なら、喜んで頂けるかなと思って。 

K:ですよね。土日の方が皆さんいらっしゃるのですか?15時から。 

安藤さん:お客様ですか?平日の方が多いかもしれませんね。色々なんですけれど。 

K:はい。 

安藤さん:殆どお一人ですね、見えるのは。後は、仕事の打ち合わせとかでちょっととか、テーブルの方でコーヒーを飲みながらやったりとかもしますし。そうやって使ってもらっています。 

K:後はどういう所が変わりました? 

安藤さん:後は我々の同業としてはよく連絡するようになりましたし、前はこう、何て言うんでしょうね、試飲会場で会って、という位でしたけれど、何て言うんでしょうね、前よりも結束力が深まった感じはあります、連絡頂いたりとか、大丈夫ですか?とか。後、お客様を拝見していてここでこういう風にお酒を飲んだりとか、国分町に出て来て買い物したりとか、そういう事が有り難い事だ、という事はよく聞きます。 

K:はい。 

安藤さん:こういう風に過ごせるって有り難い事なんだね、という事で。そういうお話は沢山聞くようになりましたね、震災後には。 

K:震災後、お店はいつ位から開けていらっしゃったのですか? 

安藤さん:3/11に地震があって、3/20からです。それでも早い方でしたね。 

K:ですよね。 

安藤さん:水道が復旧したのが、17日だったのですよ。丁度6日後で。 

K:ええ。 

安藤さん:水道が出ればすぐに出来る状態ではあったのですが、やはりお酒しか出さない場所ですので、丁度17日と言っても1週間も経っていなくてお酒という状況でもなくて。 

K:ええ。 

安藤さん:余震も全国的に来ていましたし、皆食べ物とか寒いからね、そういう暖を取るものとか安否確認をしてまだ見付からないとかそういう状況だったので。 

K:ええ、そうですよね。 

安藤さん:お酒を出していれば少し不謹慎な気がしてちょっと考えていたんですけれど、東京から、先輩から出来る所からやらないと駄目だよ、という事で、お客さんが来なくてもいいんだから、電気を点けてやっているよ、というアピールをする事が町の活性化に繋がるんだよって。あそこもやっているからこっちもやろうって。あそこやっていたよ、ってなれば、行ってみようかって。そういうきっかけとか復活とかになって行くんだって。良いんだからBarやって、看板位点けろ、って。そうだなと思って、20日に点けたんですけれども。

 K:ええ。そうだったのですか。それではいち早くですよね、きっと。 

安藤さん:わりと早い方だったみたいですね、後から聞いたら。 

K:10日程、なんでしょう。通常の生活ですと10日ね、と感じますが、 

安藤さん:ええ。 

K:ご自分のお家の事もあるでしょうし、生活の事もあるでしょうし。ボトルはいかがでしたか? 

安藤さん:ボトルは割れたので20本でしたね。 

K:でも押さえてあるものがありますものね。 

安藤さん:ええ、事前にありましてこれに引っ掛かって落ちなかったという事もあって。震災のその時、チーフが早番でいて、銀座のダルトンにもあの様にあってあの様に(ボトルを)下げてくれていてそういうのも大丈夫だった理由ですね。 

K:ええ。 

安藤さん:Barとしてはそんなに被害は大きくはなかったですね。やっていて良かった。 

K:ええ。 

安藤さん:父が建設関係のものですから、随分前からああいうのを付けろってうるさくて。 

K:ええ、良かったですね。 

安藤さん:はい。 

K:そのBarによっては、そちらを付けるのはどうか、という所もあると聞いて、 

安藤さん:ええ。 

K:震災の後にあったらしいのですよね。伺った中のお話によると、経験を積んでいらっしゃるBarの方は被害が少なく、まだ始められたばかりの方の所は多かったらしいと聞きましたね。 

安藤さん:なるほど。 

K:どの様な感じの被害かは分からないのですが。こちらの止める物を何て言うのですか? 

安藤さん:鎖ですか? 

K:銀座も被害に遭われたと伺いました。 

安藤さん:こういうのをこぼれ止って言うのですって。ほんのちょっとの柵なんですけれど、ダルトンのマスターに教えてもらったんですけど。 

K:そうなのですか。 

安藤さん:これで大丈夫でしたね。 

K:やはり違うのですね。 

安藤さん:お勧めです、これは。これはした方が良いよって。 

K:ええ。今はお客様の帰りが早くなったって伺いましたけれど、震災後に1番にいらっしゃったお客様を覚えていらっしゃいますか?勿論、覚えていらっしゃると思うのですが。10日振りに開けられた時に。常連のお客様だったのですか?

安藤さん:そうです、ええ。 

K:逆に心配されて、ですか? 

安藤さん:大丈夫だった?おお。みたいな感じでしたね。 

K:ええ。心配で、ですよね。 

安藤さん:で、心配でまだやっていない、まだやっていないっていう感じでお客様は思っていてくれて、20日に開けた時に、あー開いた、みたいな感じで皆さん来てくれて。でもお酒は飲んでいなかったですね。コーヒーを煎れて、ただお互いの事を話し合うみたいな感じの、そういうコミュニティーの場になっていて。皆さん、食料の買い出しに来たりだとか、水汲みに来りだとか、そういう感じですね。で、話したり、でしたね。無事だったね、とか。 

K:ええ、そうですよね。本日こちらに伺うにあたって、明日も友人と会うので被災地を見ておきたい、と思っていたのですが、やはり本日安藤さんとお会い出来るので震災の前後の事を伺いたいと思ったら自分の目で見て確かめて、そうしないとどう変わったのですか?と伺えないと思いました。ですので本日はこちらに着いてすぐに友人と会って、友人の気持ちも聞いてからこちらに伺いました。友人はケーキ屋さんで働いていたのですけれどお水がなくては何も出来なくて、たまたま友人のお家ではお水が出たから、何に入れてもいいから何リットルでも良いから持って来てと言われて、毎日1カ月お水を持って行っていたそうです。1カ月位出なかったと言っていましたね。 

安藤さん:ええ。 

K:だから疲れちゃうし、お風呂もガスも点かないから、 

安藤さん:お風呂、そうでした。 

K:だからお湯を温めたのを入れてお風呂に入れて掛け湯して、心身共に疲れたって言っていました。 

安藤さん:はい。美容室がですね、カットではなくて髪を洗うのにやっていましたよ。 

K:ええ。

安藤さん:どこもそう、髪を洗いに来てね、と。 

K:ええ。 

安藤さん:そういう(紙)のが貼ってあって、特に女性は髪が長いから。 

K:そうですね。 

安藤さん:ここは、市役所、県庁が近いので電気、水なんかは早い方だったんですけれど、全体的に見ると1カ月近く出なかった所もある様で長期戦でしたね。そんな感じでしたね。後は、お風呂に入りに行ったりだとか。 

K:そうですよね。安藤さんの周りの方々は大丈夫だったのですか?被害に遭われた方が多いと思うのですが、 

安藤さん:周りですか?私のスタッフの知り合いは大丈夫でした。 

K:お客様の中にはそういう方は...お客様だったり、お客様の周りだったり、は? 

安藤さん:そうですね、沿岸部に近い方達が、まだ連絡が取れていない方が1人、他の方は皆連絡取れて無事なのが分かったのですが、1人だけまだ分からない方が居るんですけれど、 

K:そうですか。 

安藤さん:でもその近くにお住まいの方から多分大丈夫ではないかな、という話は聞いているのですけれど。 

K:ええ。お忙しくて連絡が取れないだけだったら本当に良いですよね。 

安藤さん:ええ。そうですね。チーフの実家が赤札と言って住むのに危険だと全壊の恐れがあると、あれ仙台市ですか? 

チーフ:ええ。 

安藤さん:危険だから住んでは駄目ですよっていう。

K:ええ。 

安藤さん:あれが貼られちゃって、ね? 

チーフ:引っ越して別の所に住んでいます。

K:そうですか。まだ壊れているわけでなくてではなくても、危ないですよ、という? 

チーフ:倒壊の恐れがありますよ、という。 

K:そうですか。私がテレビで観たのは、その1軒の違いでこちらのお家は壊れていて、こちらのお家は大丈夫で、何であっちは大丈夫で、うちは駄目なんだ、という方がいらっしゃいました。後は、自分達は住みたいと思っているけれど、あれは市からになるのですか?「住んではいけません」、ではないですけれど、「避難して下さい」、という。ご本人達は大丈夫だと思っていても。テレビでではありますけれど、そういう場面で少し状況が見えてきたりします。命あっての事… 

安藤さん:そうですね。 

K:私思うのですが、命がある事は勿論なのですが、住む場所というのが本当にね。仮設住宅に住まわれている方はまだ宜しいのかなと思うのですが、避難所や公民館等でお住まいになっている方は凄くストレスが溜まっていらっしゃるのではないかと思うのですよね。 

安藤さん:それは本当にそう思います。 

K:元々人付き合いのお上手な方であればコミュニケーションを取れるでしょうけれど、 

安藤さん:そうですね。 

K:そういう方ばかりではないですからね。 

安藤さん:そうですね。 

K:そういう方がいきなり集団の中に入ると言うのは本当にストレス、 

安藤さん:ストレスでしょうね。

K:なのかな、と思うのです。映像で見たりすると、仕切りでね、仕切りだけで生活をしていらっしゃる方の事を思うと、ね。 

安藤さん:凄いストレス、ストレスって大変ですよね。 

K:だと思うのですよね。同じ空間にね、 

安藤さん:24時間ですから。どこかでふっと寛げる所がないと駄目ですよね。 

K:そうですよね。 

安藤さん:いつも気を張っていなくてはいけない。 

K:それを見ると大変だなと、大変というのか。家があるという事は、やはり凄い事なのだなと思いますね。あと、自分の居場所があるという事も。 

安藤さん:居場所って大事なんですよね。 

K:はい。(4へ続く)    (2へ戻る)

 

 

 ※次回掲載予定日 4/20(金)

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