単独インタビュー第21弾 2014年 年末企画「Bar Malt House Islay オーナー鈴木 勝雄氏、バーテンダー瀧澤 祥広氏を迎えて(5)」
K:瀧澤さんは、いかがですか?どの様になっていくと思いますか?鈴木さんは、この様な長い歴史をお考えになった上でのお話ですが、
鈴木さん:君は逆にポジティブに言わなきゃいけない(笑)。
K:(笑)。何て言うのでしょう。世代が違うので、考え方が違うという所を伺いたい事が主旨なので、難しい事ではなく、正論ではなく、それを伺いたいわけではなく実際どう思われているのかなという事をお伺いしたいです。
瀧澤さん:業界自体の事ですか?
K:全然構いませんよ。何でも。
瀧澤さん:イベントを見ていても来場者がだいぶ多くなってきたと思います。と言ってもここ2年位しか見ていないのですが。それだけモルトウィスキーの認知度が広がって身近に感じ易くなっているのだといます。酒税法が改正されて昔の手の届かない高級なお酒というイメージも薄れてきて誰でも気軽に飲める大衆向けのお酒になっていくのではないかと思います。
K:それは、大衆向けというとなると、先程の様にストレートで召し上がるというのはいきなりは難しくはなりますよね。そこはどう伝えていかれますか?
瀧澤さん:もちろん他の飲み方を否定するつもりはありませんが、ただそのお酒が好きで、いつも飲んでいますと言うのでしたら、ストレートでじっくりお酒本来の風味を知ってからお好みの飲み方をして欲しいなと思います。
K:そうすると伝えて行かなければいけないですよね。
瀧澤さん:そう出来るよう頑張ります。
K:有難うございます。あと、周りの方、ご友人も召し上がっていますか?
瀧澤さん:いいえ。同年代でモルトウィスキーを飲む人はいません。
K:今おいくつですか?
瀧澤さん:25歳です。
K:お休みの日などお友達とお会いしたりしますよね?みなさんでお酒を召し上がる事もあるかと思うのですが、ウイスキー、シングルモルト専門のお店で働かれている瀧澤さんをご覧になって周りの方はどういうイメージがあるのでしょうか?
瀧澤さん:そもそも周りにお酒を嗜む人がいないんです。
K:やはりいないのですね。
瀧澤さん:居酒屋に行った時は飲みますが、わざわざBarに行って、高いお金を払ってまでお酒を飲むという人がまず周りにいないです。それでも一緒に飲みに行く時にBarに誘ってモルトウィスキーを勧めてみたりするのですが、まだ度数が強いお酒自体に慣れていないので、飲めずに終わってしまうこともあります。その後、一人でBarに行ってみたという話は聞きません。
K:後、飲みに行かれる方が少なくなったと聞きますよね。飲みに誘いたいけれど誘いづらいというのも聞いたりしますね。上の人たちも誘いたいけれど、誘えないと。「今の若い人たちは飲まないのでしょう?」という感じで。お仕事が終わった後に誘うのも嫌がるんだよね、みたいな偏見ではないのですが、その様な見方をしていますよね。そうするとそういう機会が減っていったりしますよね。
鈴木さん:実際そういうのはあるみたいですよ。新入社員に、「じゃあ、帰りに飲みに行くか?」と誘うと、「ありがとうございます。でも僕帰りますから」みたいに帰っちゃう人もいるし、反対に付いてくるけれど、後になって他の人から「お前パワハラしているんだって?」と言われる。
K:え?
鈴木さん:つまりは強制的に飲みに連れて行かれたと言われていたんですよ。だから大変みたいですよ。中間管理職の方は。
K:ちょっとお酒を飲んでコミュニケーションを取ろうというのが出来ない。
鈴木さん:今時の中間管理職の人って、昔の中間管理職の人ほど太っ腹ではなくなっていますからね。
K:確かに。
鈴木さん:自分の生活にも追われていて、昔みたいに後輩を連れて、じゃあ今日は行くぞ!みたいな人も少なくなった。
K:確かにそうですね。今は、自分の目の前の事に必死ですよね。逆に、女性の方はやはり働いている方がご自分でBarに行かれる方が増えましたよね。以前なら男性に連れて行って、奢って頂いてという事もあったと思うのですが、そういう事ではなく、ご自分で払って美味しさを追求する人が増えたと思います。時代の変化で。
鈴木さん:今、あちらこちらの報道を見ていても流行っているのはチェーン店、大手ばかり、均一化されたものですよね。そういうのを見ているとBarもこれから廃れて行くのかもしれないですよね。Bar文化って日本特有でしょ?他にないので、日本のBar文化もそろそろ終わりなのかなというのは、若干ありますね。もうチェーン展開しているお店とホテルのラウンジでいいんじゃないの?って。
K:最近どちらだったか、牛丼屋さんでしたでしょうか?居酒屋さんの様にお酒を出しているのですよね。少し早い時間帯から少しだけ出されているみたいで、そうすると皆さんとの待ち合わせの前に1杯~2杯そちらで飲む事が出来て、そちらのチェーン店の食べ物が少し出て来るからちょっと飲んでサクッと出られる。そういう所も出て来ているみたいですよ。以前だったら、待ち合わせの前にBarに行く、というのがあって、先にBarに行って私先に行っているね、という感じの使い方をしていたのが、そういう所に使う場所が変わって来たのかなと。(6へ続く) (4へ戻る)
※次回掲載予定日 3/6(金)
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