単独インタビュー第21弾 2014年 年末企画「Bar Malt House Islay オーナー鈴木 勝雄氏、バーテンダー瀧澤 祥広氏を迎えて(最終章)」
K:私のサイトをご覧になって頂いた事があるかもしれないのですが、サイトでインタビューさせていただいている方をサイトに掲載する時には、ツイッター、ミクシィ、FBでご紹介しているので、その方々がご覧になっているのですが、その方々に一言あれば是非お願い致します。まず瀧澤さんからお願い致します。
瀧澤さん:一言ですか。
K:はい、インタビューを楽しみにしてくださっている方も多いので、何かお願い出来ればと。いつもインタビューをさせていただいている方に、その方々に向けて最後にお願いしております。中には、ウイスキーを飲んでください、というメッセージを頂く場合もございますし、色々なコメントがそれぞれあります。
瀧澤さん:ウイスキーを飲む人は、増えて来ているとは言え、まだそこまで多くはないと思いますので、これからも飲み続けてウイスキー業界を支えて行って欲しいと思います。
K:有難うございます。鈴木さん、お願い致します。
鈴木さん:もしご来店いただけるのでしたら、そう美術館に来るような気持ちで来てくださいね、ということかな。うちは飲み屋ではありませんから。
K:はい。
鈴木さん:その覚悟を持って来てくださいね。半分冗談ですが...
K:かしこまりました。
鈴木さん:それとも図書館に来るつもりで...。
K:かしこまりました。有難うございます。最後に何かありますか?
瀧澤さん:Kaoriさんはイベントをよく主催されているようですが...。
K:私にですか?
瀧澤さん:どういうお気持ちでやられているのかな?と。
K:どの様にですか?(笑)
瀧澤さん:何故やられているのか。
K:何故しているかですか?
瀧澤さん:はい、お忙しいにもかかわらず、何故頻繁にイベントを主催されているのか。そのモチベーションが何処から来ているのか個人的にお聞きしたいと思いました。
K:最初にイベントを開催したいと思ったのは、単純です。もう随分昔になりますが、当時もいつもBarに伺う時間が遅くて「遅い時間だからBarにいる女性が少ないのかな?」と思っていました。ウイスキーを頂いていても皆さん飲まれていないな、と。ただ私が遅い時間からだからなのかと思っていました。そう思っていた時に「ウイスキーを飲むなんて珍しいね」、と聞いて、私の中では「えー?」と。私の中では少ないなんて思っていなかったのと、後ウイスキーをお好きな女性の方にお会いするとウイスキー、カクテルもそうですけれど「のん兵衛なんだね」、と、からかいの対象ではないですけれど、そう言われると聞いて、「えー?」と。だったら、女性ウイスキーの会というものを皆さんに知って頂いたら、「あ、ウイスキーを愉しむ女性もいるのだ」、と認知してもらえれば、そういう「のん兵衛なんだ」だったり、「アルコール依存症じゃないの?」だったり、そういう言われなくなり、皆楽しく飲んでいるのだなと思ってもらえるのではないかと思えるかなというところからですかね。
瀧澤さん:はい。
K:認知していただければ、ウイスキー好きなのです、と小さい声で言わなくても、「私ウイスキーが好きなのです!」と言えるかなと、前向きな気持ちになっていただけるかなというところですかね。だったら楽しい事がいいのかなと思って。後、Barに伺っていたのもありましたし、ただ伺っているだけの私に、自分が今の様にイベントを開催する前からバーテンダーの皆様が本当に良くしてくださっていたので。Barも好きでしたし、変な言い方ですけれど恩返しが出来たらなと思ったのと、お付き合いの中でこういう事をしたいなと思う事をお話しすると、皆様「いいよ」、とご協力的で快く仰って下さるので、そういう風にしていただくと、又楽しい事が出来たらなと思って。後は自分が楽しまないと、周りも楽しめないなと気付いてから、しなくてはいけないと思わないで、後悔しない様にしたいなと思う心に素直に従っています。頻繁にしている理由は、女性の皆様、お勉強をされたいだろうなと思って、丁度ペルノさんやMHDさんやニッカさんやサントリーさんにセミナーや蒸溜所見学(ご招待制)を開催する事が出来ました。楽しいと思う事をしたいと思った時に、皆さんがご協力して下さるので、開催出来ているのだと思っています。
瀧澤さん:はい、有難うございます。
鈴木さん:最後に言わせていただくとすれば、今日はずっと批判的な事を言ってきましたけれど、それは20世紀的価値観に基づいて言っているだけで、おそらくこれから先違う局面が出て来ると思うのです。20世紀的モルトの価値観で見ているとこの先悲観せざるを得ないと言うだけの話で、おそらくこれから先ウイスキーは別次元に入っていくのだと思うのですよ。
K:ええ。
鈴木さん:例えて言うなら20世紀的価値観で見ていると、21世紀の現在、人も、社会状況も全く違う局面に入って来ていると思うのです。それと同じで19世紀的価値観では20世紀の事は分からなかった。その価値観は1899年~1900年になってから急にコロッと変わったわけではないのです。1955年当時の価値観ではもう現在想像出来ない社会になっています。何事も新局面に入っていると思っているので、ウイスキーもそうなっていくのではないですかね。マッカランの新シリーズもシングルモルトの新しいあり方を打ち出していっているのかもしれないし、これから先どう評価されていくのかわからないですね。だから今日ずっと言っていた悲観的な話の“ウイスキーの未来はない”、という事は20世紀の様なウイスキーにもうこれから先はない。という意味でそこから先は、何か新しいものが生まれて来るじゃないかな、と私は思います。
K:はい。
鈴木さん:ただそれは私にとって興味のないものだというだけの話ですけれど。そこは誤解のないようにお願いします。
K:有難うございました。分かりました。鈴木さん、瀧澤さん、この度はお時間を作って頂きまして、誠に有難うございました。(6へ戻る)
Kaoriの総論
今回のインタビューは、長年モルトの世界をご存知の鈴木さんと世代の違う瀧澤さんのお話を伺う事により、今どの様にお考えかを確認したい為でもございました。当時の事をご存知だからこそ言える事、又知らないからこそ仰れる事を伺えたと思います。又何をメインにして進まれようかと早目に決断された事は、伺う私達にとりましても明確で分かりやすいかと思います。ビジネスにおいての考え方も伺えたような気が致します。現在ウイスキー業界も又新たな風が吹き始めております。鈴木さんからお伺いさせていただいた事、瀧澤さんの仰る事を改めて考え、今後ウイスキーがどの様になって行くのかが楽しみになって参りました。改めて鈴木さんのお話を思い出しながら、又ウイスキーを頂きたくなりました。
※撮影協力Bar Malt House Islay
http://homepage2.nifty.com/islay/
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