単独インタビュー第14弾(2012年) 「WODKA Tonic バーテンダー三原 幸佳さんを迎えて(3)」
K:又話が逸れてしまいましたね(笑)。それでは初めてカウンターに立たれた時は、ジンライム、タンカレーライムだったのですね。
三原さん:はい。
K:その後も作られる事多いですか?タンカレーライム、ジンライム?
三原さん:たまにですね。その方がタンカレーがお好きでしたので。
K:その召し上がった時は表情など見てしまうのですか?
三原さん:大丈夫かな?と。優しい方で、美味しいよ、と言って下さって。でも本当に嬉しかったですね。
K:ええ。
三原さん:本当にシンプルなカクテルですけれど、シンプルゆえに難しい。感動と言うかちょっと嬉しかったです。
K:そうですよね。その瞬間は、絶対に。そのお客様とはどこかでお会いしたりするのですか?
三原さん:今もご連絡先は知っているので・・。でも暫くお会いしていないのですけれど。以前、麻布十番のあるBarに飲みに行った時に、偶然お会いしたりして半年振りですね、とか。そうですね。たまに、偶然にお会いした事も何度か。
K:ええ。そうすると蘇って来ますよね、最初にお会いした時の事が。
三原さん:はい。本当に素敵なお客様がたくさんいらして・・。色々教えて頂いて感謝するばかりです。
K:有り難うございます。それでは次なのですが、Q4、女性バーテンダーとして良かった事、悩みはありますでしょか?
三原さん:そうですね。良かった事言うと、女性がいる事でBarの扉を開けやすくなる、と言って下さる、会話をし易い、話し易いとお客様に言って頂ける事があって、ですね、良かったと思う事は。
K:ええ、そうすると、でも聞き易い雰囲気がその方にないと。
三原さん:はい。
K:女性が居て良いなと思うのですが、例えば2人バーテンダーの方がいらっしゃいました、でも話し掛け易い方に話し掛けますよね、どうしても雰囲気的に。
三原さん:はい。そうですね。私はその…最初に思ったのが私から笑顔を取ったら何も出来ないし何もないなと思って。
K:ええ。
三原さん:仕事が何も出来ない時にそう思って、とりあえずは笑っていようと、最初は。
K:ええ。
三原さん:私は笑顔に癒されたりするので、でも笑い過ぎもね、良くない(笑)。
K:(笑)。
三原さん:へらへらし過ぎも良くないのですけれど、実際に自分が、Barだけではなくて色々な所へお伺いした時に、怖いなと思うと・・。失礼します、とか、やはり話しづらい事はあるので。やっぱり笑顔でいたいなとは思います。
K:ええ。大事ですよね、笑顔は。最初の印象で話し易ければ、話し掛けてしまおうかな、又行ってしまおうかな、という感じがありますよね。
三原さん:絶対に凛としていたいと思うんですけれど、どちらも欲しいですね。凛としつつ軟らかい雰囲気でもいたいという気持ちもありますね。
K:ええ。有り難うございます。
悩みとは特になく?
三原さん:そうですね。今はもうないですね。当初は悩みと言うか、これは自分との葛藤と言うか今思うと馬鹿だなって思うんですけれど。やっぱり自分自身がバーテンダーに憧れたのは、あのいぶし銀の様な・・歳、歴史を重ねていらっしゃる男性のバーテンダーの方で。圧倒的な、存在感。そういう雰囲気に憧れて・・やっぱり酒場ですからね。
K:ええ。
三原さん:男性の世界だと思っていましたし。そういう場に憧れて来たから、この仕事をするなら男性でありたかったと思っていたので。でもそんな事を言ってもしょうがないですし凄く馬鹿な話なんですけれど。女性なのに男性の様にと思う事こそ何も生まれない事で。本当に何も出来ないのに、小娘とかお嬢ちゃんと言われる事が本当に嫌で(笑)、だからこそ本当に努力したいと思っていたし。今は、女性である事は「三原 幸佳」の個性です、と堂々と言えるのでそういう悩みは全く今は、ないんですけれど。
K:でも最初は割合的に見てしまうと、私はバーテンダーと言うお仕事はしていませんけれど、Barをばーっと見るとどうしても男性の方が多かったりしますものね。当たり前と言うかどうしても。
三原さん:はい。
K:その中で分かっていながらも現実になると、元々私は?みたいな。
三原さん:そうなんですよ。男性バーテンダーの方々がカウンターにずらっと並んでいるとやはり格好いいなと思ったり。それを私が壊してしまっている気がしたりとか、でもお客様がハードの中に女性がいて和みがあるから、それだけだと疲れちゃうから、僕はきやすいと言って下さったり。そう言っていただける事が嬉しくて。自分にしか出来ない事は性別は関係なく、しっかりプロとして出来ればなと日々思っているので、はい。
K:素晴らしいです。
三原さん:とんでもない、とんでもないです。
K:悩みはあって当たり前、当たり前と言ったら違いますけれど、きっと、絶対色んな葛藤がありますよね。
三原さん:うん。
K:悩みがないって言う人の方が多分いらっしゃらないでしょうしね。
三原さん:良いとか悪いとかではなく、個性とか性別ではなくプラスと言うか良い方向に活かせるように。
K:有り難うございます。
そして被ってしまうかしらね、Q5女性バーテンダーだからこそ出来る事はございますか?
三原さん:プロフェッショナルな女性しか出せない軟らかさ、尚且つ安心感そういうものを出せればなと思います。
K:安心感と言うものはありますよね、きっと。Barにいらっしゃる方って実際増えていますか?
三原さん:でも増えていると思います。本当に私は高々9年弱くらいしかこの世界を知らないので、でもその中で増えていると思います。今よりも、やはり少なかったと思うんです。誰かに連れて来てもらってという事が多かったと・・。今は、でもご自身の意思でいらっしゃる方が増えて来たんじゃないかと思いますね。でもKaoriさんみたいにスマートに召し上がる方は本当に少ないです。
K:スマートに、かは別にしても、やはり少ないですか。
三原さん:やっぱり率で言うと少ないですよね。
K:確かにそうですよね。
三原さん:女性、男性に関わらずお酒を飲む方が少なくなって来ましたよね。
K:そう聞きますよね。
三原さん:そういう意味でも。いらして下さる方は多いんです。ただお酒が本当に好きでという方はまだまだ少ないと思います。
K:ええ。いらっしゃる方は、こうコアというのか。
三原さん:そうですね。
K:色々とお詳しかったり、ですよね。Barに行きたいけれどBarの扉が開く事が出来ないと言う方が。
三原さん:ええ。
K:伺っていて多いですよね。伺うとそうなんだなと。確かに外から見たら分かりませんからね。どういう感じかも分からないですし。かと言ってBarが「いらっしゃい!」みたいな感じになっても少し違うと思いますしね。
三原さん:ちょっと嫌ですよね(笑)。
K:ちょっと違うなと思いますよね。扉が重かったとしても、中がふわっとした感じであれば良いなと思いますね。はい、有り難うございます。(4へ続く) (2へ戻る)
※次回掲載予定日 2/17(金)
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