単独インタビュー第14弾(2012年) 「WODKA Tonic バーテンダー三原 幸佳さんを迎えて(4)」
K:Q6 私の定番な質問です。プライベートも含め、今迄いらっしゃったBarで、感動した出来事、お客様との事でも宜しいですしご自身がこちら側に座られていて、バーテンダーの方とお話をした時の事でも宜しいですし、最近の事でも宜しいですし、あ、あの事、でも宜しいですし、何かあれば教えてください。
三原さん:はい、本当にたくさんあり過ぎて。
K:そうですよね。
三原さん:例えばBarにお伺いしてとか、いらして頂いているお客様との会話の中で、感動は沢山あります。美味しいお酒を頂いてもそうですしサービスに対しても。飲みに行った時はやっぱり飲み手の気持ちを考えてして下さる、そういう気持ちに感動しますね。きっと私はこういうお酒が好きだろうと考えてお酒を出して下さるとか、プロフェッショナルさに触れた時。純粋に美味しいものを頂いて幸せにもなります。そのたくさんある中で感動と言うと・・・、これは私がバーテンダーだからというので特殊な事だと思うのですけれど。話はカスクに戻りまして・・、月光浴にいる時にカスクに飲みに行ったのですね、緊張しながら。
K:はい。
三原さん:本当にお給料を握りしめて行く感じですよね。感覚としては。
K:はい。
三原さん:凄く緊張しながら飲みに行った時にやはり篠崎にしてもらったサービスが忘れられなくて・・。それもあって、カスクで仕事したいと思うきっかけにもなり、憧れもあったのですけれど。勿論、お店の雰囲気も大切だと思います。でも、私が求めている事や感じている事を凄く考えてくれて、もちろん私にだけではなくてお客様の事を凄く考えて、サービスをなさっているな、と肌で感じたからです。例えばカレーのサイズがハーフサイズ、お茶碗サイズがあるとか。
三原さん:そういう飲み手の気持ち?というお酒を飲みたいけれど、ちょっと食べたいだとか。
K:あ、ありますね。
三原さん:Barにこういうものがあるの?という...。本当に自分達の信念やスタイルがあるけれどもお客様ありきというか...そういう気持ちがああ、凄いなと思いました。その時は本当にまだ何にも分からなかったんですね。お酒は好きだけれども全然知らなくて。メモを取りながら...テイスティングノートに飲むたびにメモする様な感じで。でも私が全然分からない事を知りながら、とても...かなりレアなお酒を、たくさん出して頂きました。私が知らない事も分かっている上で、将来の私に期待して未来に向けて頑張れよと...いう感じで。そのお気持ちに凄く感動しました。その時...ブラックボウモアですとか。
K:凄い。
三原さん:そうなんですよ。ホワイトホースのティンキャップだとか、ボウモアデラックスだとか。
K:ええ。
三原さん:その時に全然知らないものを帰って調べるじゃないですか。それで「えー!!」「あーどうしよう、凄いものを...」、みたいな。でもその時、頑張らなきゃとかじゃなくて、本当に心から頑張りたいって思いましたね。
K:分かる気がします。
三原さん:お気持ちに感謝しましたし、日々そういう想いに感動します。
K:仰っている気持ちが分かる気が致します。そうされたから頑張らなくてはいけないのではなく、頑張りたいっていう、という気持ちが分かる気がします。
三原さん:本当に心から思いましたね。何かそういう意味で忘れられない事ですね。ちょっと特殊かもしれないですけれど。
K:仰っている事は分かる気がします。将来に期待してという、それで実際三原さんがこちらにいらっしゃるわけですからね。続けていらっしゃって、ここにいらっしゃると言う事がきっとそういう事だと思いますよね。
三原さん:はい。
K:有り難うございます。Q7得意なカクテルを是非作って頂けますでしょうか?
三原さん:考えたのですが...(事前にご質問はお渡ししております。)やはりウォッカトニックです。
K:はい。
三原さん:この仕事を始めてから最初に教えて頂きましたし、1番作って来ました。上手に作れない時から、沢山飲んで下さった先輩方が居て・・、お休みの日以外はほとんど毎日作っていると思うんですね。
K:はい。
三原さん:迷った時も楽しい時も作りますし、やはり悩んでいたりすると、本当に味に迷いが出ます。作れば作る程深みにはまって迷い出す時もあるんですけれど・・奥が深すぎて沢山作っているカクテルです。自分に問い掛けるように作りたくなります。沢山作っているからこそ分かる。原点。
K:是非お願いしても宜しいでしょうか?
三原さん:はい。
K:楽しみです。
~お作り中~
三原さん:やはりKaoriさんはウイスキーがお好きなのですか?
K:そうですね。
三原さん:私もです。
K:私も20歳位からBarへ行き始めて、そこから色々と頂いてはいたのですけれど、やはりウイスキーに感動してというところから更に好きになりましたよね。
三原さん:やはり余市ですか?
K:私は竹鶴12年ですね。それまで勿論色々と頂いてはいたのですけれど、モルトも。ただ竹鶴12年を頂いた時に感動がありましたね。しかもボトルの裏に書いてあった歴史を読んで、ですね。酒屋さんにボトルを見に行ったら、思った以上のコストパフォーマンスで販売されていて、えーと思いましたね。そこからですかね。最初Barに行ってカクテルを頂いていて、でもウイスキーを頂くようになってからはBarに行ってもウイスキーばかりで。でもやはりBarへ伺うのであればウイスキーを頂く事も勿論良いのですが、折角バーテンダーさんもいらっしゃるのですから、カクテルを作ってもらわないでどうなの?と思い始めてから、もう1度Barに行き始めた頃の事を思い出し、最近は又カクテルを頂いてからウイスキーを頂く様になりましたね。
三原さん:毎日、緊張しますね。
K:私からするとお話をなさりながらお作りになっているのが凄いなと思うのですが。シェイカーを振られている時は話しかけない様にしたいと思っていますが。ただお話の流れでしてしまう時もあるのですが。
三原さん:ええ。
K:急に会話を止めるのも変ですし。
三原さん:そうですね。でも結構息切れしますけれど(笑)。
K:(笑)。
三原さん:出来ました。
K:有り難うございます。写真を撮らせて頂いて宜しいですか?でも本当に三原さんお写真と違いますよね。言われませんか?
三原さん:言われます。
K:頂きます。甘みがあって美味しいですね。
三原さん:有り難うございます。ぐびぐびと。
K:ぐびぐびといけますね。
三原さん:ラムネの様に。
K:本当に。こちらのアルコール度数はどの位になりますか?とても飲み易いから。
三原さん:40%のウォッカが30ml入っているので、9%くらいですね。
K:美味しい。
三原さん:確かに、ずっと飲んでいられますね。でもカパカパ飲んだら酔いますね。
K:有り難うございます。そして次にQ8、夢を教えてください。
三原さん:夢ですか。
K:他の方には目標を伺っているのですが、考えてみたら夢は聞いていないのですよ。確か具体的には夢は聞いていないので。夢を教えて頂けたらと思います。
三原さん:はい。やはりお酒の素晴らしさ、美味しさ、奥深さ・・を本当に沢山の方に伝えていけたらと思います。お酒を、あまりお召し上がりにならない方が増えていると思うんですね。でも、もっともっとお酒に興味を持ってもらえる様に。好きになってもらえる様に出来る事は何だろうと・・。楽しさ、面白さを伝えられたら良いなと思いますね。
K:何か野望みたいなものはあるのですか?
三原さん:確立はね、出来ていないんですけれど。私にとってお酒は人生を豊かにしてくれるものです。お酒が身近ではない方にも、親しみをもって頂けたら・・。スコットランドに行った時、パブは、大人の社交場なのだと実際に感じました。何か、日常に自然に溶け込んでいる生活の一部。人生の共にあるもの。じゃあ、こういう紅茶にちょっと入れて頂くのもいいですし、本当に日々自然に寄り添うものであればなと思うんですね。だからBarは特殊ですけれど、Barに行く感覚を当たり前の様に、好きになってもらえる様になったらなと。興味を持ってもらえたらなというか。ウイスキーを飲めないんだよって言っている方に対して美味しいと思ってもらえるかとか、これなら飲めるかもとか。
K:ええ。
三原さん:好きになってもらえるように頑張るのが私達の仕事なので、お酒はちょっと・・という方にこんなお酒もあるよと・・自分が出来る事はそういう事で、その日々の積み重ねが出来て、繋がってゆけば良いなと思います。
K:急に思ったのですが。例えば、「三原のブログ」みたいな事は、そういう事は考えないのですか?
三原さん:ああ。
K:でもそういう事を言われたりしませんか?
三原さん:お店のHPを書かせて頂いていて、そういう事を通して伝えていければいいなとは思っているんですけれど。私はスコットランドにずっと行きたくて・・、もう2年前になっちゃうんですけれど、行った時にやっぱり念願だったのもありますし、人生観が変わったと言うか・・。それ位これはもう本当に素晴らしくて。行きたくて、だったのもあるんですけれど。そういう風に、皆リアルになればもっと、と思うので。だから色んな所、勿論日本の酒場もそうですし、ワイナリーも、蒸溜所も、本だけの知識ではなく、もっともっとリアルにして伝えていけたらと思いますね。
K:三原ツアーを(笑)。
三原さん:ちょっと恥ずかしい(笑)。
K:ご自分が1番楽しんでしまったりして(笑)。
三原さん:まだまだ自分が突っ走っちゃうんで。
K:皆の事を忘れてしまって(笑)。でも好きになってもらうきっかけは、Barを開く時の扉が、とお話をしましたが、きっかけがあって、何かきっかけがあれば行き易かったり、何だ、って、思って行き易くなったり、でもそういった事ばかりではないですし、それが過ぎてしまうとBarとは違う様な気もしますし、でも気軽にも行ってもらいたしですし。と考えると、バーテンダーの方は、待っているだけですものね。今はブログだったり、ツイッターがあるから。そして山田さんがフェイスブックをされていらっしゃるからまだこういう事があるのだと分かるけれども、以前はBarはご紹介の世界ですものね。今もそうですけれど。
三原さん:そうですね。本当に待つ仕事ですよね。だからこそこれだけお店があって、その中でうちを選んで頂けるのは本当に有り難い瞬間で。そこで来てくださったからには、少しでも幸せになって帰って頂きたい。自己満足かもしれないですけれど。そう出来ればなと思いますね。(5へ続く) (3へ戻る)
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