単独インタビュー第17弾 「Bar OLD SCOT バーテンダー 渋谷 知美さんを迎えて(最終章)」
K:だからある程度そこはきちんと考えなくてはいけなくて、自分でも本当にそう思うし、でもそこまでしたのに、とは思いませんが、お付き合いしている彼等ではなくてね、ここまで、とは思っていませんが、この様な事がお互いあったのにこういう風に接しているというのは、こういう人なのだなと。自分もいい人になり過ぎないようにしようと、思っているかも。
渋谷さん:確かに。
K:色々な人を受け入れたいし、色々な状況があるから分からなくはないですし、自分もいっぱい、いっぱいの時は人に優しく出来ない時もありますが、でもお互いがこうした時に、こうだったのに、何故こうなってしまうのかと思う人は今後お話をしたとしてもお付き合いは深まらない、と思う方はいらっしゃいますね。
渋谷さん:私もある方がそうです。
K:ええ。そういう人がいて、お話はしたとしても違うかなと思っています。自分はいい人、言い方が違うかしら、色々な人を受け入れたいと思っているけれど、少しずつは自分の中でこれはと決め事をしていかないといけないかなと。
渋谷さん:うん、様子を見た上でそうだから、私もある方に対してそうだからもういいかなと思っていますからね。
K:ええ。そこの部分は思うかも。ある程度で見切りを付けるではないけれど、良い人でいる必要はない。受け入れ態勢OKでいたいですけれど、
渋谷さん:分かる。
K:でも、
渋谷さん:でも人間ですからね。
K:そうそう、そうですね。最初知り合った人に、プライドが高そうだね、と言われる事が多いのですが、実際話をすると高くないよね?と言われます。
渋谷さん:うん。そうそう。
K:お付き合いが始まると。でもそういう中でも絶対これは許してはいけないとか、
渋谷さん:ああ、それは、
K:思っておかないと駄目な気がします。そうしないと会に参加して頂いたり、共感してくださっている方に対して失礼ですし、
渋谷さん:そう。
K:そういう事をしてもいいの?になってしまう。
渋谷さん:そうそう。そうそう。凄い、私も愚痴ってしまいますけれど、そこだけは許してはいけないという事、例えば姿勢よくシェイカーを振った方がいいよ、と言っても「ユーチューブで見ているから、良いんです。」とか言われちゃうと「そこで失礼だよ」と言ったとしたら、「渋谷さんに負担を掛けない様にしているんです」って、言い訳が凄い得意だから。
K:ええ。
渋谷さん:そういうの疲れちゃうという感じです。そこはちゃんと聞こうよ、という感じです。自分の線ってありますよね。最低ここまでの底辺の部分を守らないと、良いですよ。
K:私は1つ思っている事は、この様な活動をする前からお世話になっている方だったり、私がまだ何も分からない時でも優しく接してくださっていた方達は、絶対に大事にしたいと思っていて。
渋谷さん:ええ、そうですね。
K:その人達は、お店がどうこう等関係なしに、自分が何か出来る事があったら、出来るのであればフォローさせて頂きたいなと思っています。
渋谷さん:そうですね。
K:全然知らない時からお世話になっている人は、大事にしなくてはいけないかなと思っています。ただ自分の好みもありますから。
渋谷さん:そうですね。
K:そこは大事にしなくてはと、後からウイスキーコンシェルジュというものを開いて、そうなんだと言ってご連絡を頂く場合もあります、から、そこでお付き合いが続けば良いですけれど、そこからご縁がないという方もいらっしゃいます。今後もお付き合いが出来る方々とお付き合いしていくのが1番ですね。勿論言って頂いたら、私も返しますが。
渋谷さん:でもそういうので来られた人は、来てくれた人は、自然と長続きしないですよね。
K:ええ。結局お付き合いだから。
渋谷さん:そうです。
K:普段お会いしていなくても、会いに行こうかなと思ったり、元気?と言える様な関係に。
渋谷さん:30年後でもこう1本のウイスキーを元に会話とかできたら、楽しいですね。
K:良いですね。
渋谷さん:その時私が健康害してたら、終わっちゃいますけど(笑)。
K:そして最後です。
Q10、渋谷さんから一言何かありますか?インタビューを介してもいいですし、バーテンダー渋谷さんでも良いですし、ウイスキープロフェッショナルの渋谷さんからでも良いですし。私のサイトの中ではインタビューがアクセス数が多いので、お伝えしたい事がありましたら。
渋谷さん:そうですね。それは予想外、予想していなかったというか、
K:そうですか?突然の方が出て来るのではないかしら?
渋谷さん:何だろう、メッセージ的ですかね。そうですね、ウイスキーって難しいものでもないし、汗臭い労働者の酒でもないし、現在は本当にお洒落なものとなっていて、女性も飲む人が増えているし、健康にも良く肌にも良く、さっきと被るんですけれど、多面性があるものなので是非皆さん、初心者の方でもハイボールとかあるし、気後れせずというか、何ですかね、あんまり考えずに気軽に飲んで欲しいですね。
K:おそらくウイスキー業界の方もどうしたらもっと広められるかを考えている、からイベントを華やかなイベントを開かれたりするのでしょうね。基本的にウイスキーは、格好いいものでいて良いと思っています。
渋谷さん:はい、はい、そうですね。
K:ボトルも格好良くて。ボトルが格好いいから、というジャケ買いみたいなね。
渋谷さん:うん、うんそう、それいいと思います。
K:Barだからこそ比べて見えるわけですよね。
渋谷さん:そうですね。
K:あの山崎、黒のラベルで格好良い、知らないけれど、あれは何?でも良いし、
渋谷さん:そうそう、リキュールでも「そのひょう柄のは何ですか?」と、ジャケ買いも大事ですよね。
K:そうですね。
渋谷さん:ウイスキーも樽熟成によってもっと赤とか青とかあったら、何かね、分かり易いんだけれど。
K:ええ、ええ。分かり易いですよね。
渋谷さん:だからこそ、バーテンダーの言葉とかを大事にして行きたいですね。その失恋した時の1本ですよ、とか。言葉がジャケットではないけれど、そう伝える事が常にしていきたいし、私が言葉として、そう。
K:最終的に私が思うのですけれど、口を挟んでごめんなさいね。信頼出来るバーテンダーさんと会ってしまったら、
渋谷さん:はい、はい。
K:「何が良いですか?」と聞かれたら、例えば「本日の様に暑いからアードベッグが良いのではないですか?」と言われたら、「はい」、って思いますものね。思ってしまいますもの。
渋谷さん:そう、信頼関係ですよ。本当に人相手、人を挟んでのものだから。
K:「飲んでおきなよ」、と軽く言われたら「はい」、みたいに思ってしまうのよね。
渋谷さん:そうですね。そうなれる、そういう人を私は増やしていかなければいけないし、私の一言で必ず受け入れてくれるというか、その為に接客を今レベルアップさせようと思っているので。
K:ずっとお客様のお仕事をさせて頂いていて、ずっとお客様、お客様、と、そう思っていました。
渋谷さん:ええ。ちょっと分かります、分かります。
K:ずっと。でも例えば売り上げの仕事をしていて、自分を少し見せる事によって、見せたくはなかったのですが、少し自分らしさを出し始めたら、何だかお客様にいらっしゃって頂く様になったのですよね。
渋谷さん:ああ、それは共感出来る。
K:それは私は売り手の側で、私の事はお伝えしなくてもいいと思っていて。
渋谷さん:いやいや。
K:自分の話をするのはどうかと。お客様のお話を聞く事が仕事だと思っていたのですが、
渋谷さん:いや。
K:何かの時に私の話をしたら、そこからお客様がいらっしゃって頂いたり、
渋谷さん:そうなんですよね。
K:だから全部は話さないにしろ、ある事をお客様にお伝えしたら、私聞いてない、と仰って。え?という。
渋谷さん:(笑)。
K:そういう感じですが、心配してくださったり興味を示してくださるお客様がいらっしゃる事は、例えば私が出勤ではない時に来なかったのは、「Kaoriさんが居なかったから行かなかったのよ。」と仰って頂いた事は嬉しかったですよね。
渋谷さん:素晴らしい。
K:それに私は1番になりたい等、そうは思っていなくて、私にとって1番というのは魅力はないのです。
渋谷さん:それはなくていいと思うんですよ。そういう率いる人が居て、なでしこジャパンもそうですけれど(笑)。
K:でも1番は興味はなくて、いかに、
渋谷さん:じゃあ、力を合わせてやりましょう。
K:はい。言い方は良くないかもしれませんが、この人が開催しているから、行ってあげなければ駄目かな(笑)みたいな感じがいいですかね。
渋谷さん:うん。確かに。逆に反発して来る人も出て来ますけれどね。
K:多分ね。反発とは違うでしょうけれど、会に参加して頂いても、実際考え方が違って違う会に参加される方もいらっしゃるかもしれませんし。今後は、参加している方が会を開催していくかもしれないですしね。もしそうなったとしても、それより自分は先を行っていなくてはいけないと思いますし。
渋谷さん:勿論、勿論。
K:でも私は難しい事を考えるのは好きではないから。
渋谷さん:自分のペースでやって行けばいいと思います。難しいものとするから、人も増えて行かないので、ネイルとか帽子とか仰っていたみたいに、抜きどころというか一つ作る事で絶対増えて行くはずなんですよね。
K:ウイスキーコンシェルジュというと、こういう人だったの?等言われます。
渋谷さん:だからKaoriさんも商品なんですよ。
K:ああ。
渋谷さん:私も凄く思うのが、下の子が私への皮肉を堂々とお客さんに話していたりとか、ここの品揃えがあまりなくてみたいな、どこどこのBarは氷を削っていて、ここはやっていないですけれど、みたいな、何でそんな事ばかり言うんだろうと思って、怒った事があって、私も自分自身を商品だと思っているから、そんな事を汚すような事を言うのはお店に対して失礼だし、私に対しても凄く失礼なんだよと言ったんですけれど、あまり堪えてはいないようですね。いつか分かってもらえれば本望ですけど。
K:でもスタッフの皆さんは、渋谷さんの味方でしょう?
渋谷さん:でもそういうのが多いと愚痴が出るじゃないですか。チーフにも言い過ぎちゃって、仲良くしてもらわないとチームなんだから困るよと言われているし、オーナーはオーナーで現状を知らないからどんどん教えて交代で休みを取りなさい、みたいな。難しいなと思って。
K:私は、今迄仕事をしていて後から来た人が何かを言った時に、先に入っている人の意見を優先するべきだと考えていました。私、上下関係が好きな方なので。
渋谷さん:絶対必要だと思うんですよ。
K:ただ先に入っているから良い、悪いの上の人の判断は難しいのかもしれないけれど。
渋谷さん:私も怒鳴られたりする事もあるから、それを下が見ていてこの人には反発していいんだとか、そういうのもあると思うんですよ。皆の前で怒るのを止めてもらえませんかと、
K:分かります。
渋谷さん:怒るって必ず皆の前で言われているのは、私だけで。伸びしろがあるからだし、怒られなくなったら終わりかもしれませんが。
K:そう。言われているからこの人なら大丈夫だろうと思うのでしょうね。
渋谷さん:未だに反発されるし。
K:それはね、大事にしなくてはいけない所だと思うのです。上の人って。
渋谷さん:そうですね。だから言うけど、上もあんまり直らないっていうか。
K:ええ。
渋谷さん:だから下にも教えたくもないし、口も聞きたくないし。
K:その人の立場の大事さという事を上の人も考えなくてはいけないのですよね。
渋谷さん:ですよね。
K:渋谷さんが10何年もこちらで仕事をされているのであれば、何かがあったらまずは渋谷さんを立てるという事を教えていけば。
渋谷さん:常に接客でも一応私も半分演技になる部分も、そこまではないかな、素になる部分、元々内向的な性格なので、その部分で接客しているし、そこで私を落とすようなやり方を冗談でする、それを下が見ていて真似しているのかもしれないですけど。人との接し方があるのだから、と思うんですよね。
K:私がずっと思うのは、人をおとすとかあまり好きではないです。
渋谷さん:ああ。
K:色々な人が居るから、この人はこの人で、というキャラな人は良いかもしれませんけれど。
渋谷さん:そうですね。
K:やはりあまり好きではないかな。私が会を開いた他の理由は、1人でウイスキーを飲んでいる人をこぼしたくないのね。こぼしたくないというのは言い方が違うかもしれないけれど、勿論1人で飲んでいても全然構わないと思っています、私がそうですし。ただ1人でウイスキーを飲んでいると変わっていると思われる、のですよね、とウイスキーをお好きな女性何名から聞いていて。それを変わっていないよ、と。女性の会が広まれば。
渋谷さん:幸せな人が言うのは、綺麗な人、見た目って大事なんですよ。見た目が良くて、何て言うのかな、そう、不幸なオーラが全然出ていない人がちゃんとやるべき。
K:私結構近い方から「Kaori、マイナス思考がなくなって良かったね」、等と言われますよ。
渋谷さん:え、本当ですか?
K:私マイナス思考のところもありますから、身近な人の前ではそういう私でもありますよ。
渋谷さん:あ、だからこそ、人の気持ちに添った言い方が出来るのですね。
K:だから凄く分かるから、人をけなすとか、人を何とかする事が好きではないのです。
渋谷さん:嫌がっているかどうかは、見ていて分かりますからね。
K:分かります。だから絶対にしたくないの。
渋谷さん:だからやっている時点で嫌がっているのが分かったらその時点で止めないと。
K:私学生の時に、何を思ったのか「私はあなたみたいに強くないから」と言われた事があります。
渋谷さん:Kaoriさんはそう見られちゃうのかな。
K:そういう風に言われた時に、私強いのかなと思って。
渋谷さん:嫌な事を顔に出さないから、凄く偉いと思う。
K:だから見た目だけで決めたりそういうのが好きではないですね。
渋谷さん:ああ、なるほど。
K:話してもいないのに、決めつけたりするのも好きではないかな。
渋谷さん:話してみないと、どんどん接してみたいと分からないですね。
K:行動をみて、この人違うかも、と思ってもまずはお話をしてみて、
渋谷さん:そうですね。会話ですね。
K:だから私ウイスキー飲んでいて、少し変わっているかもとかと聞いた瞬間からもありますね、女性の会を開きたいと思ったのは。そんな事ないよ、と。少しでも女性の会が有名になれば、自分ではなくて、誰が主催者か分からなくても良いのです。以前開いた会でも、どの方が主催者ですか?と聞かれましたから(笑)。
渋谷さん:自分が楽しまないとですよね。
K:誰かにそういう会があるよね、と言われた時に、その会知っている、と言われたら、やったーという気持ちですね。
渋谷さん:どんどん、私も頑張りますけれど。
K:又話が逸れてしまったわ(笑)。一言お願いします。
渋谷さん:一言ですか?
ウイスキーは楽しいので、皆さん飲んでください、ですね。気楽に飲みましょうっていう感じですね。気楽に飲んでください、ですね。
K:私ウイスキーと出合って本当に良かったと思っています。
渋谷さん:私も。Kaoriさんや他の方とも出会えましたし。
K:本日は有り難うございました。
渋谷さん:有り難うございました。(9へ戻る)
Kaoriの総論
インタビューをお読み頂いて皆様、何を感じられましたでしょうか?私は再度ICレコーダーからこぼれる渋谷さんの一言一言にこの方は、何て繊細な方だろう、と思いました。更に何かをされるにおいても、まず相手が何を考えているのか、何を望んでいるのかを一生懸命探して、それで見付からずあえて相手に聞いてしまう、とても正直な方だと思います。初めて渋谷さんにお会いしたのは、スコッチ文化研究所の雑誌の中の座談会において。それから時々お店に顔を出させて頂いて、女性の会での事やウイスキー事情についてお話をさせて頂いております。今、目指されるは、マスター・オブ・ウイスキー、是非叶えて頂きたいと心から思っております。
取材協力 Bar OLD SCOT
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