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単独インタビュー第20弾 新年企画「Shot Bar Zoetrope オーナー堀上 敦氏を迎えて(1)」

24 1月 2014 1,917 views No Comment

Bar Zoetropeさんにて」  12月某日 吐く息が白く、色とりどりの傘が交差する頃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ご用意して頂いたコーヒーを頂きながら、いらっしゃったばかりの蒸溜所のお話を伺っている内に自然とインタビューへ...~

 

K:Q1、ジャパニーズウイスキーに特化した理由を教えて頂けますか?

堀上さん:僕はBarを始めるにあたって、亡くなられた日本バーテンダー協会の前会長、椙山先生が渋谷でやられていたバーテンダー・スクールに通っていました。同校を卒業されているバーテンダーの方も多いです。僕はそれまで違う仕事をしていたので、ともかくスクールへは行かなければと思いました。ある日、授業中に椙山先生から名指しで、僕とあと2人位いた年配の生徒に「君らは既存の店に修業に行かない様に」と言われて。「君らぐらいの年齢の人が行くと店の人が迷惑だから、無理してでも自分でいきなり店出しなさい」、と言われたんですよ。

K:え?その時はおいくつの時ですか?

堀上さん:40歳位ですかね。

K:ええ。

堀上さん:どこかの店で修行しながら最終的な自分の店の方向を決めようかと思っていたのに、NBAの会長から「君ら迷惑だから来るな」、「頑張って自分ひとりでやれ」、って言われたんで、じゃあ、頑張っていきなり店を持とうと(苦笑)。そこでどんな店を開くかって考えた時に、スクールで勉強しましたってくらいで、カクテルで勝負するなんておこがましいことは出来ない。それよりは自分の得意フィールドの方がいいという気持ちがあって、元々好きだったウイスキーのお店にしようと思いました。僕らの20代の頃にはバーボン・ブームがあって、その後個人的にアイリッシュとスコッチに嵌った時期もありました。日本のウイスキーは大学生の頃から安いブレンデッドを飲んだりはしてましたが、それよりもスコッチは勿論美味しい、アイリッシュも美味しい、そんな風に思っていました。

K:ええ。

堀上さん:僕が日本のウイスキーを凄く意識して飲むようになった1番のきっかけは、マルスの「シングルモルト駒ケ岳10年」だったんです。それまでも勿論国産の「山崎」とかは飲んでいましたけれど、正直なところマルスとか知らなかったんで、「こんな聞いた事もない会社でこんな美味しいものがあるの?」ってちょっと衝撃を受けて、で、もっと他にもあるのかなと思って調べ始めたんです。僕は基本的にオタク気質なので、じゃあ他にもどんなのがあるんだろうって、美味しいのも美味しくないのも色々取り寄せて、飲んで。その頃、普通に客としてBarへ行くんですけど、どこへ行っても日本のウイスキーは置いていない。日本のウイスキーはありますか?と聞くと「山崎」が出て来る、たまに「白州」が出て来る、「響」が出て来る、「余市」は出て来る事があっても、「宮城峡」になったらもう出て来ない、そんな位の状態です。

K:それは、東京の、銀座だったり?

堀上さん:新宿だったり、渋谷だったり。

K:こう、いわゆる繁華街と言われる所でですか?

堀上さん:そうです、そうです。たまーに変なものがおいてある所もあるんですが、お勧めしませんよ、って言う感じで出て来る位で。それで、バーテンダーに「マルスがね」、っていう話を振っても「知りませんねぇ」と言われるし。それで先程のどんな店を開くかって話になるんですが、「皆が知らなくて1番自分がやれることは何だろう」、と思った時に、僕にとっては日本のウイスキーが“誰よりも”とは言わないまでも、そこそこ普通のウイスキー好きの皆さんより知っていると自負があったんで、そこでお店をやって行くのが良いんじゃないだろうかと。正直な話、美味しいのも美味しくないのもあるんですけれど、美味しいものはこれだけ美味しいんですよ、スコッチにだって全然負けてないんですよ、というのを、出来るだけお客さんに紹介して飲んでもらえたらいいな、と思ったんです。

K:はい、それが今となったら、こう何年かで急にこうムーブメントと言うのか…。

堀上さん:そうですね。

K:それぞれジャパニーズが好きだという方はいらっしゃったのでしょうけれど、Barとして特化されていると嬉しいでしょうね。以前お伺いした時に、東京ではなくて、他にジャパニーズに特化したお店があるという話をされていましたよね。

堀上さん:ええ、今は京都の方に「吉祥」さんというBarがあります。数年前に京都に行った時に「K6」さんでお聞きしまして、その頃がオープンから半年位の頃だったと思います。「吉祥」さんも凄い品揃えなんですけど、「うちは大手さんの物しか置かないんです。」と仰っていたので、うちみたいにマイナーな会社の商品は置かないという事の様です。他には、博多に「BEM」さんという所があって、そこはスタンドバーなので、逆にこまい所の物でも置くんだけど、高額の物は置かない、というコンセプトなんですよ。

K:ええ。

堀上さん:どちらかというと、一升瓶みたいなのはカッチリ揃えているけれど、モルトのちょっと高めというのは置かないお店なんですね。

K:そう考えるとゾートロープさんは幅広いですよね。

堀上さん:そうですね、うちはあんまり考えずに安いものから高いものまで、美味しいものから美味しくないものまで、

K:(笑)。

堀上さん:何でも置いていますんで。

K:美味しくないと言うのは何なんですが、色々と個性がありますよね。

 

 

 

 

 

 

 

堀上さん:ええ(苦笑)。最近、以前にもいらした事のある方が、お知り合いの方を連れていらしていて、お2人でメニューを見ながら、これは何だろう、あれはどうだろう、と話していらっしゃいました。丁度その時、別の席に座っていらした初めてのお客様が、そのお二人が話題にしていたお酒を頼まれたんです。僕は「それは美味しくないけど良いですか?」ってお聞きしたんです(笑)。

K:(笑)。

堀上さん:そうしたら先のお2人が笑いながら「美味しくないの?」。僕は「美味しくないですよ。でもマニアックな方でしたら、どうぞ」ってお応えしました。

K:ええ。

堀上さん:そのお客さんは「そんなにマニアックではないんで別のにします」って(笑)。

K:それも親切ですよね((笑))。

堀上さん:美味しいもの期待して飲む人と、どんな味でも1回飲んでみたいという人...つまりマニアックな人、どちらもいらっしゃるんで、「あ、美味しくなくても1回は飲んでみたいから」、と言われれば、僕としては喜んでお出しします。

K:はい、そうですよね。

堀上さん:でも美味しいものを期待していた方に、その美味しくない1杯をお出しした事で、「日本のウイスキーの実力はこんなもんだ」、と思われちゃうのは嫌なんです。

K:ええ、そうですよね。何て言うのでしょう。まずは皆さんが、美味しいと思われるものを良いタイミングで出されて、慣れて来られたら「こういうのも有りますよ」と言われた方が、

堀上さん:その方が良いですよね。既に「日本のウイスキーをある程度知っているんだよ」、という人が、こんなものもあるんだ。美味しくないって聞いてもそれでも飲んでみたいんですよ、というのは、全然OKだと思うんですよ。

K:不思議なものは、不思議ですものね。

堀上さん:ええ。古い国産のウイスキーには、かなり不思議な商品もありますから。「これはウイスキーじゃないだろう」と言うようなものが(笑)。

K:こう申し上げるとなんですが、何だか分からなくなって来ますね。ウイスキーの香りでもそうですけれど。後、お話は変わりますが、ツイッターを見ていたりすると、モルトのお値段が高騰しているという、存知上げている方々が、ジャパニーズだけではなくてウイスキーオークション等でもの凄い金額を出されている方もいらっしゃる、と書いてあって、日本人の方なのか、外国の方なのか分かりませんが…。

堀上さん:最近だと、香港、台湾の方たちが凄いみたいですね。

K:ええ。

堀上さん:ある方がイチローズモルトのカードシリーズを40本位持っていて、訳あって手放す事にされたそうなんです。恐らく元々の買値で言えば45万位だと思うんですよ。それをちょっと吹っ掛けるつもりで150万と言ったら、即決でOKと言われたそうで、その方は「もうちょっと高く言っておけば良かったかなぁ」と(笑)。

K:そうですよね(笑)。でも凄いですよね、本当に。それでOKなのですものね。

堀上さん:ええ。買われた方は一瞬も悩まなかったそうですよ。

K:きっとそれ位だったら、という感覚なのでしょうね。

堀上さん:買った方はコレクターの方だと思うので、その40本のうち、多分既に20本位は持っていると思うんですよ。それでもあとの20本の為に150万をポンと出してしまえるという感覚なんですよね。

K:ええ、何をされている方たちなのでしょうね。よく分からないですね。

堀上さん:分からないですね。

K:そう考えると、Barに伺って、これ飲んだ事ありますか?と聞かれて。本当沢山有りますよね。女性ウイスキーの会を開いていても、ツイッターを拝見していても、これを飲みました、等、皆さん凄いなと思う程色々なものを召し上がっていますよね。飲めばいい、というわけではなく、積極的に召し上がっているのは凄いなと思います。

堀上さん:そうですね。

K:積極的に、今迄飲んだ事がないものを飲みたいという興味もあるのだな、と。

堀上さん:そうですね。ちょっと前だと相当マニアックな人しか飲んでいないような閉鎖蒸溜所の物とか、結構普通に飲まれている方もいらっしゃるじゃないですか。

K:そうですよね、凄いですよね。それ聞いた事がない、という感じで。

堀上さん:その商品をご存知ないのは、既に閉鎖された蒸溜所だからですよ、っていう感じだったのが、今だと「あ、それはもう飲んだことありますので…」みたいな状態になっていますからね

K:そうですね、本当に。そう考えると凄いですよね、今。 (2へ続く)

 

※次回掲載予定日 2/7(金)

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