単独インタビュー第7弾 「はじめまして、ウイスキー」連動企画インタビュー「ウイスキーアドバイザー 吉村宗之さんを迎えて(3)」
KQ2:ウイスキーに興味を持ち始められたきっかけは、ウイスキーの科学をお読みになった方はお分かりかと思うのですが、まだ読んでらっしゃらない方のために改めて教えて頂けたらと思います。
吉村さん:実は30歳位迄は、ウイスキーつまんない酒だと思っていたんですよ。
K:え?そうなのですか。
吉村さん:特にスコッチにはとんと興味がありませんでした。
K:何を召し上がっていたのですか?
吉村さん:カクテルとかですね。
K:ええ。
吉村さん:洋酒はカクテルから入ったんですよ。
K:私もです。
吉村さん:あ、そうなんですか?
K:ええ。
吉村さん:カクテルを一通り飲んでなんとなく物足りなさを感じていた頃、あるブレンデッドスコッチに出合いました。
K:ウインザーキャッスルですよね?
吉村さん:そうですね。
K:そうなのですね。では最初に召し上がったシングルモルトは何でしたか?
吉村さん:私がスコッチの美味しさに目覚めたのと丁度同じ頃に、シングルモルトが、ぽつぽつと雑誌や新聞、テレビ等のメディアで取り上げられるようになりました。本を見るとラフロイグの紹介では「海藻の味がする」なんてことが書かれてあって、とても興味を引かれたのです。それで、早速酒屋に行き買いました。
K:ええ。ご購入されたのですね。
吉村さん:ええ、お店で飲んだのではなくて。そのラフロイグを飲んで、又々感動しました。
K:その時のライフロイグは、何年でしたか?
吉村さん:10年ですね。
K:今の10年と変わらないですか?
吉村さん:あの頃のラフロイグの方が、もうちょっと海藻のニュアンスが強かったようにも思います。
K:その時の第2の感動があったのですね。そこからアイラに興味を持ち始められたのですか?
吉村さん:そうですね、ラガヴーリンをはじめ一通りは飲んでみました。ただ、まだ当時は入手出来るシングルモルトはごく限られていて、他にはハイランドパーク、カードゥ、グレンリベット、グレンフィディックくらいしかなかったですね。
K:お話は戻りますけれど、そこからM’s Barにいくわけですか?
吉村さん:まだまだです。その後ボトラーズ物の存在を知り、多くの蒸溜所のモルトを飲む事が出来ました。そのほとんどはBarでは飲まずに、もっぱらボトルを購入していましたね。
K:その頃おいくつの時ですか?
吉村さん:31、2歳の時ですかね。勿論、Barデビューはしてましたけれど。
K:そうですよね。カクテルを召し上がっているのですから。Barでウイスキーを飲むという事がなかったという事ですよね?
吉村さん:ええ。どうしてボトルを買っていたのかと言いますと、飲んだシングルモルトの記録を残したかったのです。飲み終わったらラベルを剥がし、スキャナーで読んでデータとして保存しました。
K:ええ。
吉村さん:でもラベルをデータにし始めたのはもっと後になってからで、その頃は空瓶を集めているだけだったかな。
K:でも空瓶もラベルも収集していらっしゃったのですね。
吉村さん:はい、全て捨てずに取っておいたんですよ。
K:ええ。
吉村さん:M’s Barを開いたのは、1997年ですね。
K:はい。ウイスキーに興味を示されてから何年後位ですか?
吉村さん:5~6年ですね。テイスティングノートが随分溜まってきたので、ウェブで公開してみようかなと思い立ったのです。
K:そしてM’s Barが開設されたと?
吉村さん:そうですね。
K:土屋さんをインタビューさせて頂いた記事に掲載してありますが、M’s Barは最初土屋さんだと思われていた様ですね。他の方に「M’s Barは土屋さんではないですか?」「いや私ではないよ。」と。確かに「守」のMですものね。それで実は吉村さんだったと。
吉村さん:ええ、そのインタビュー記事は読ませて頂きました。
K: その後お会いして、それから今のテイスターお仕事に繋がったという事ですか?
吉村さん: そうです。土屋さんとは、初対面から意気投合しました。
K:繋がって行くものですね。
吉村さん:でも土屋さんを初めてお見掛けしたのは、それよりもずいぶん前だったんですよ。確か横浜で開かれた何かのセミナーの時だったと記憶しています。見掛けたと言うのは、その時はご挨拶が出来なかったんですよ。なんとなくタイミングが合わなくて。当時髪を金色に染めていたので、もしかしたら避けられちゃったのかな(笑)?
K:以前金髪でいらしたお話は、先日の出版記念パーティーで堀内さんから伺って、「え?」と思いました。
その時は何故金髪でいらっしゃったのですか?音楽をされていらっしゃった?今とはだいぶイメージが違いますので。
吉村さん:音楽はやっていません(笑)。
K:今度金髪の頃のお写真を頂きたいです。掲載してしまおうかしら?
吉村さん:あはは、いいですよ。
K:本当ですか?金髪の頃が、土屋さんとお会いした時なのですものね。
吉村さん:そうですね。
K:今後も長くされたりしないのですか?
吉村さん:もうないですね。頭頂部も寂しくなって来てしまったから(笑)。
K:そうですか?
吉村さん:そのうち河童ちゃんとか言われそうだし(笑)。
K:吉村さんの愛称が河童ちゃんになったら、笑っちゃいますよね。(笑)。それは大丈夫ですよ。
ウイスキーをお好きになったきっかけから随分お話が膨らんできてしまいましたけれど、ウインザーキャッスルに出合って感動して、その後にラフロイグを召し上がって感動をする。そしてそれから...
吉村さん:シングルモルトに傾倒していきました。
K:そうなのですね。有り難うございます。(4へ続く) (2へ戻る)
※次回掲載予定日11/26(金)
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